3人のおじいさん俳優のうち、2人が実際に徴兵されていたことを知り、演技力をさらに素晴らしいものにさせている。特に三橋達也さんは、シベリア抑留されていたというから、その表情には自分たちには読めぬ深い感情が刻まれている。惜しいことに、この映画が公開された2001年の3年後に、心筋梗塞で亡くなられたということだが、こういった戦争経験をされた俳優さんがいなくなるのは寂しい限りだ。
この映画のテーマは、同じ日本人が、戦争の際は、国を守るためにアメリカ人と戦い、そして、戦争が終わって忘れ去られてしまった今、今度は国を守るために自分たちが守ったはずの日本の新人種と戦わなくてはいけなくなってしまったというところにある。
殺し合いをしたはずのアメリカ人の子供が、おじいさんになった今、自分の友達となり、銃後の日本を行きぬいた老婆をいためつける、ねじまがった倫理と拝金主義にまみれたコーポレーションの洗脳されたサラリーマンたちが敵となる。
3人のおじいさんを見ていると、南方戦線の体験がいかに強烈だったかを思い知らされる。それは、自分たちの心に死ぬまで忘れられないような深いキズを与えるとともに、死ぬまで切れることの無い堅い友情を生み出した。
彼らの江戸っ子なりのさっぱりした軽快な会話が映画の重厚さをやわらげているが、ちょっとユートピア・コーポレーションが、非現実的すぎるような気もした。まあオームみたいな団体もあるわけだから一概にはいえないが、ちょっと展開が強引すぎるような気もする。