導入編で品詞の説明をしたのち、入試問題から50の例文を文法編・構文編の2部に分けて取り上げ、その例文の一つ一つにS,V,O,C,Mの構造分析と各例文ごとに1つないし2つの文法的なテーマに沿った分かり易い解説「Grammar&Structure」があります。発展演習編では10大学の入試問題に取材したやや長めの文章の問題と解答の解説がある。
文法解説「Grammar&Structure」が全編で100テーマ。テーマによってはさらに付加する解説として「研究」が24ある。50の例文にはそれぞれに同じ例文に因んだ問題があり、全編を通して非常に実践的、具体的な指導態度に徹している。
ただし「精講」シリーズの特徴である冗長を避け冗漫な文言を削ぎ落とし密度の濃い説明文を積み重ねていくやり方はこの本でも貫かれているので、説明あるいは訳の日本文そのものを文法的に分析解読していく読み方が要求されます。読者に媚びる態度はなく、読者に「集中力」と「深く思考する態度」を要求します。この点でテレビの英会話的なノリの娯楽を兼ねたお気楽さでeasyに読み進めることができる本ではありません。この本が基本の文法解説であるということで気安く手に取ると挫折するでしょう。「必修」=「基本」=「やさしい」ではないのです。
この本には「精講」シリーズ中唯一(?)CDの範読音声がついているところも著者の教育的な配慮があってよいと思います。各例文ごとに2回の朗読がありますので1回目は文を追いながら、2回目は耳に集中というやり方で利用するといいでしょう。ヒアリングとあわせてリーディングの発音の仕方を身に付けられます。読むペースは人それぞれでしょうがあまり日数をかけずにこの本にじっくりと取り組むといいでしょう。基礎精講シリーズの影に隠れているような印象がありますがもっと多くの学習者に評価されるべきよい本です。