学級崩壊がメディアを通して世に知られるようになってから、数年が
経過している。日本の社会はますます多様化し、今までの学級経営の
やり方が通用しづらくなってきている。そこでは、教師の教育技術が
今まで以上に求められてきている。
本書は、小学校で長年勤務をされてきた2人の著者が、スムーズな学
級経営をするためのポイントを、分かりやすく提示したものである。
本書の主張は実に分かりやすい。
それは、クラスでの役割・係分担を決めたり、ルールを守らせたり、
言葉遣いを注意したりといった「縦糸」を張ると同時に、子どもたち
と「人間対人間」というフラットな中での関係を築くという「横糸」
を張ることが、学級経営の骨子である、ということである。
そして、例えば、学校生活の枠組みを示す、列の並び方や、靴箱と傘
の指導、給食指導といった「縦糸」に関する指導法、子どもたちと遊
んだり、話をしたりといった「横糸」に関する指導法を具体的に提示
してくれているので、非常に実践的である。そして、本書最後には荒
れた学級を立て直すためのアドバイスも付されている。
書かれている内容は、小学生への指導が中心になっているので、中学
校や高等学校での指導には直接的には当てはまらないものもあるが、
学級経営の本質的な重要なファクターは十分に享受できる。今後は、
中学校や高等学校の先生方からの本も出版されることを強く望みたい。
旧態依然たる大学の教職課程では、ほとんど実践的な学級経営につい
て学ぶ機会はないし、そこにはあまり期待ができないだろう。ならば、
各先生方が、本書のような本を手に取り学んでいくしかないのだろう。
その意味でも、実に貴重な資料として多くの先生方の役に立つだろう。