某週刊誌の書評欄が楽しみだった私は時々彼女がいないのを
今でもとても淋しく残念に思ってしまいます。
米原万里さんの物を読むと、今まで気づかなかったことに気づかされハッと
するのですが、その刺激がちょっとチクッと痛いような、それでいて同時に
心地よくもあり、その刺激を求めて彼女の文章を読んできました。
共産圏で思春期を過ごし、また長年やっていた通訳という職業が常に、
言語だけでなく言葉の裏のバックグラウンドの違いを如実に実感するような
現場だっただけあって(また、彼女がことのほかそのことに目を向ける人だったと思う)
逐一彼女の言わんとすることには、本当に目から鱗が落ちるというか、
ハタと膝を打つようことがあります。
また、彼女のガセネタにしろ下ネタにしろ、ちゃんと言われや文化的歴史的背景があり
その点で凄く説得力があり心から楽しめますね。笑えるネタというのは
そのネタにされている当人が真面目なほど面白いというのがありますが、
まさにそれなのだと思います。
この本は彼女が新聞やその他の色んな出版物のコラムに著わしていたものを
集めたもので一つ一つは短くてどこからでも気軽に読めますね。
最後に対談が載っておりこれもまた、興味深く読みました。
「嘘つきアーニャの真っ赤な真実」や「オリガ・モリソヴナの反語法」をまた読みたくなりました。
この本も手元においてこれからも折に触れて読むことでしょう