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この本には、戦闘参加者、レイプ被害者、児童虐待・性的虐待サバイバー、ナチスのホロコースト生存者などの、PTSDの症状や感情が、その苦しみを理解しながらとても詳細に書かれています。インターネット上や他の本には記述されていないことも多く、自分が感じていたのはこういうことだったのか、と思う部分がいくつもあるのではないでしょうか。豊富な臨床例は、避けてきた過去や痛みと向き合い、それらを検証し克服すること、または他の人の苦しみを理解するのを助けてくれます。
読み始めるとともに、心の奥に押し込んでいた過去や痛みが悲鳴を上げますが、自分自身を理解し、絶望の底から這い上がる力をくれると思います。
PTSD診療の歴史をたどる第一章は、自分のカウンセラーや精神科医がどういう考え方なのか、判断する材料になるかもしれません。第二章から、PTSDの成り立ち、抑圧された記憶、自分を苦しめる孤立無援感・罪悪感などと真剣に向き合うことが始まります。後半の回復の章で、サバイバーには何が必要か、苦しみをどう表現すればいいのか、周りの人に何を求めればいいのかという、回復のプロセスが詳述されています。
文量が多く、読書好きでない方には大変かもしれませんが、得体の知れない孤独・不信・絶望、そしてトラウマに苦しんでいるなら、また、そういう人の力に心からなりたいなら、本書は必ず役立つと思います。
この本が心理臨床に関わる者だけでなく、広く一般の人々に読まれることを望む。そして心的外傷の奥に潜むこの社会の病巣を直視していただきたい。
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