臨床心理士など「心の専門家」を目指す人にとっては必読の書といえる。項目も多岐に渡り、執筆陣もわが国の臨床現場の主流を担っているといってよい。それゆえに精神分析などのメジャーな項目の解説は充実しているが、たとえば認知療法やブリーフセラピーなど世界的にはメジャーでも日本では立ち遅れている領域に関しては、改訂版でも今ひとつカバーしきれていない。これは大学院受験や臨床心理士を目指す人にとってはバイブルになりえても、いざ臨床心理士として、たとえばスクールカウンセラーとして働くというときには、役に立たないことを意味しているといえなくもない。その意味で本書はリーズナブルとは言いがたい。プロとしての実力をつけたければ辞典などに頼らずじっくり専門書を読み、研修会に参加すべし、ということだろう。