私は臨床心理士指定大学院に進学するため、統計の勉強をしようと思い、本書を購入しました。
本書を購入する方の大半は、私と同じように臨床心理士資格の取得を目指している方だと思われます。
なので、そうした方々を想定してレビューを書きます。
本書は2つの部に分けられています。心理検査の理論解説の部と、実際の心理検査から代表的なものを紹介する部です。
本書では特に理論解説の部が丁寧で、おすすめです。
構成されている章について書きます。
1.はじめに 2.心理検査データを要約する(度数分布や相関の意味) 3.得点の解釈(標準母集団など)
4.信頼性について 5.妥当性について 6.因子分析について 7.項目反応理論について
本書の理論解説は、個人的には深・中・浅とすれば、中にあたる内容だと思われます。
本文中には数学に基づいた解説がなされます。計算式を展開しながら、理論の説明が行われますし
図を用いて解説することもあります。
しかし、同じ程度日本語の文章による理論解説で、文系の方にもわかりやすいのではないかと思います。
信頼性・妥当性の章は必見です。「ここがいつもわからない」と私が思っていたところを丁寧に解説してくれています。
各章の終わりには問題集があり、解説された内容を理解していれば解けるようになっています。統計の問題集はあまり見かけないのでうれしいですね。
基本的に本書の魅力は第1部の理論解説にあるでしょう。
第2部はおまけのようなものですが、ウェクスラー性格検査、YG検査、テイラー不安検査、VPI、新版K式発達検査、ロールシャッハテスト、
以上の解説のみです。
本書は数学的理解を必要としますので、高校の数学(数3、数C)までは習ったことのある方がおすすめです。
理論展開に使われている計算式は簡単なものですが、記号がたくさん使われて区別が難しいと思うので
文系の方には厳しいかもしれません。
統計で使われる各検定については記述がありませんので、検定方法の詳細は他をあたってください。
本書は統計処理の基本的な部分についての解説書であり、その手法は丁寧でわかりやすいものです。