人にものを教える際に、単にマニュアルチックに教えるだけでは平板で退屈なものになる。かといって、「やさしく、わかりやすく」教えようとするだけでは、その人のモノにならないチイチイぱっぱなままとなる。だから、ある意味で、最初から「プロの凄み」を少しずつ袖の下から晒しがらも、その人の日常的疑問や問題意識に素朴に訴え、好奇心をそそらせることが大事である。
その点、この一般教育課程の心理学の教科書を意図して書かれた著作は、学生の好奇心や疑問に訴えると同時に、非常に奥が深い構成になっている。全然無味乾燥にならないのだ。
教科書としてだけではなく、心理学に興味をもつ一般の方々にも、非常に重心がしっかりした、でもなぜか気軽にも読み通せる入門書として超おすすめである。
はじめの章でのっけから、若者の日常心理に惹きつけて、実は「学習性無力感」「錯誤帰属」「バランス理論」やピアジェの発達理論のことまでさりげなーく「袖の下」をさらし、学問としての心理学全般に、バランスよく好奇心を引き寄せる好著である。