東京の3ピースの14th。
吉野の大病を経て制作された2年振りの新作は、
ストレートに疾走する力強い曲が戻った生命力に溢れた作品となった。
まず本作はサウンドプロダクションが実に生々しくて良質だ。
ざらついた音色のギターがぐっと前面に出てドラムはスネアが歯切れ良く、
歌心豊かな二宮のベースラインもくっきりと聴きとりやすい。
楽器音に立体感や空気感を感じさせる。
また、吉野の歌い方がところどころでインディーズ時代のような、
ささくれ立った声質でヒリヒリとした感触なのも印象深い。
M2,4,5,9と疾走曲の割合が最近になく多く、アルバム全体に躍動感がある。
後半のM6,7,8と並ぶミディアムも味わい深い佳曲。
ゆったりとした終幕のM10もいい。
前作からも感じたことだが、歌詞に肯定的な言葉が増えたように思う。
何気ない日常を愛おしく感じるような、理屈抜きでまるっと肯定するような。
吉野の病気のことも深く関係しているだろうが、死地からの生還により
あらためてひたむきに生きることの大切さを再認識したかのようだ。
今のeastern youthの音楽は誰かの人生を劇的に変えてしまうような、
閉息した日常に対する打開策のような、そんな大仰な代物ではない。
ただ、代わり映えしない毎日に、またやってくる明日に、
ドッコイショと一歩踏み出す力を与えてくれる歌だと思う。
聴き手に媚びて愛想笑いを浮かべたりしない、実に彼ららしい実直な力作。
彼らのまっすぐなひたむきさを、こちらもまっすぐに向き合って受け止めたい。