『「分かりやすい表現」の技術』というベストセラーを生み出した著者が書いた、一般的なプレゼンについてのコツをまとめた本。
最初にいきなり、「むしろ気が小さい人こそプレゼンに向いている」と述べて、読者を安心させて敷居を低くしているのがよい。とにかく易しく書いてあり、読むのに時間はかからない。
プレゼンのコツ自体についてはそれほど目新しいことが多く書かれているわけではないが、聴講者こそ主役であり、聴講者側の立場から考えることを一貫して説いている点が印象に残る。「聴講者が投資した時間に見合うお持ち帰りを聴講者に与えること」という指摘もある。
また、この著者は、売れっ子になってから多くの講習や発表の依頼をこなしているようで、その都度集めたアンケートの結果や経験を一部反映しているところが生々しくてちょっと興味深かった。例えば、参加型にすると常に5段階評定で0.4ポイント程度平均評価が上がる、だいたい100名のうち2〜3名くらいはネガティブ・リスナー(初めから否定的な態度をとる聴講者)がいる、というような点である。もちろん、きちんとその経験を踏まえたアドバイスにつなげている。途中で居眠りする聴講者への対策も書いてある。
また、第5章の「説得する技術」では、ロジック・ツリーの紹介なども行っており、プレゼンに限らず応用が効く内容が含まれている。
ただし、プレゼン資料の具体例は載っていない。