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心は実験できるか―20世紀心理学実験物語
 
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心は実験できるか―20世紀心理学実験物語 [単行本]

ローレン スレイター , Lauren Slater , 岩坂 彰
5つ星のうち 3.6  レビューをすべて見る (14件のカスタマーレビュー)
価格: ¥ 2,520 通常配送無料 詳細
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心は実験できるか―20世紀心理学実験物語 + 心理学を変えた40の研究―心理学の“常識”はこうして生まれた
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

世界を驚愕させ、物議をかもし、ときには汚名を着せられた10の心理学実験。いったい何が心理学者たちを衝き動かしていたのか。その実験、取り扱い注意。

内容(「MARC」データベースより)

スキナーのオペラント条件づけ、ミルグラムの電気ショック実験、アレグザンダーの依存症実験など、世界を驚愕させ、物議をかもし、ときには汚名を着せられた10の心理学実験を解説。心理学者たちを衝き動かしていたのは何か?

登録情報

  • 単行本: 405ページ
  • 出版社: 紀伊國屋書店 (2005/08)
  • ISBN-10: 4314009896
  • ISBN-13: 978-4314009898
  • 発売日: 2005/08
  • 商品の寸法: 18.8 x 13.4 x 3.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.6  レビューをすべて見る (14件のカスタマーレビュー)
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21 人中、19人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
1. スキナー箱を開けて―スキナーのオペラント条件づけ実験

2. 権威への服従―ミルグラムの電気ショック実験

3. 患者のふりして病院へ―ローゼンハンの精神医学診断実験

4. 冷淡な傍観者―ダーリーとラタネの緊急事態介入実験

5. 理由を求める心―フェスティンガーの認知的不協和実験

6. 針金の母親を愛せるか―ハーローのサルの愛情実験

7. ネズミの楽園―アレグザンダーの依存症実験

8. 思い出された嘘―ロフタスの偽記憶実験

9. 記憶を保持する脳神経―カンデルの神経強化実験

10. 脳にメスを入れる―モニスの実験的ロボトミー

これら10個の心理学の刺激的な実験が紹介されている。どれも心理学の世界では有名な実験のようで、しろうとのぼくでも幾つかは聞いた覚えがある。

たとえば、ローゼンハンの精神医学診断実験というのは、ローゼンハンと八人の実験協力者が精神病の演技をして精神科医の診察をうける、というもの。(ちなみに、実験協力者たちは、「ドサッ」という声が聞こえるとうったえる演技をした)。結果、一人が躁鬱病、残り七人が統合失調症と診断され、入院させられる。そして、入院中にローゼンハンらは「症状がなくなった」と繰り返しうったえたが、受け入れられず、平均で19日間入院させられた。

入院期間中にローゼンハンらが発見した、精神病患者はにせの精神病患者を見破る、という現象もまた興味深い。ローゼンハンは入院中の周囲の精神病患者に「病院を検査しているのかい」と(的確にも)話しかけられた。他の八人もそれに類似の体験をしている。

診断者である医者を、心理学者が患者のふりをして診断する、或いは実験する。診断される側である精神病患者が、正確に診断を下す。

診察室の中、病院の中では、診断する側と診断される側のあいだには遠い隔たりがあるようだが、この差というのは実は当然不安定なものであるのかもしれない。ある一定の決まりにしたがって診察は実施されるが、その決まりというのは当然絶対的なものではない。診断、審判、断罪、糾弾、賞賛、非難、何でもいいが、ぼくたちは普段、スクリーンの「こちら側で」そういった判断の主体となっているつもりでいても、実は判断の客体となっていることっていうのはよくあることだ。単に心理学の知識を与えられるだけではない。そんなことを考えながら読んだ。
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17 人中、15人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
著者はノンフィクションライターで心理士として働いてもいるようだ。歴史に名を残した行動実験を10件選んで解説する。

例えば、ローゼンハンの精神医学診断実験。彼は70年代初め、精神科医がどの程度「狂気」と「正気」を正しく診断できるのかに疑問を持ち、8人の仲間と共に精神科医が自分たちの正気を見抜けるか、精神病の振りをして精神病院に潜入した。精神科医たちは見事にだまされ、最初の症状(演技)にとらわれ、その後は正気に振る舞った偽患者たちの「正常さ」に気付くことはできなかった。
著者自身も病院に潜入する。「ドサッ」という音が聞こえるんです、という幻聴を訴えて。

他に、スキナーのオペラント条件付け、ミルグラムの電気ショック実験、ダーリーとラタネの緊急事態介入実験など。

著者の先入観や実験に対する好悪の感情が余りにストレートに記述に反映されていることは少々問題か。

ロフタスは記憶とは、ビデオに記録されたように正確で、色あせることなく脳に残っている、という神話を切り崩す実験を行った。例えば、彼女は学生たちに身近な人に嘘の記憶を植え付けるという課題を出した。子供時代のエピソードを聞きながら、「ショッピングモールで迷子になった」という嘘の話を思い出してもらう。すると多くの人が、詳細な物語を自分で作り出し、それを真実と信じていた。
彼女の実験はPTSDに絡む、「抑圧されたトラウマの記憶」という現象に反対の立場を取り、論敵ハーマンらとの激しい論争がある。
その辺を冷静に記述してくれれば良いのだが、ロフタスに対する反感が強いのか、「ロフタスの笑い声は耳障りで、声の中にはわずかに人を見下す響きがある」などと書いてしまう。

この本は正確な科学ノンフィクションではなく、心理実験を話題の中心にしたエッセイだ。こんな実験があったのかと知識を得て、専門的文献をあたるべきである。その導入として読みやすく、価値ある本だと感ずる。

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4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本|Amazonが確認した購入
いくつかのレビューも指摘しているが、確かにロフタスに関する章の語り口には、ここまで書くか?という印象を持つ。たとえていうなら、むちゃくちゃ頭の切れる心理学会の柳美里とでもいおうか。
 それはさておき、そうではあるが、この著者を侮っていけない。単なる感情的な表現としか評価できないとしたら、思想において読者の負けである。著者が一貫しているのは、心理学(いや実は科学、あるいはポストモダン思想も含めて)の持つ根本的な意味の追求である。それは、心理学において還元主義・客観主義を装うことが、データによっては掬い上げられない人間一人ひとりの”事実”を捨象することでしかないことに対する抗議であり、また見えないものは存在しないものとして扱う悪しき科学・合理主義に対する憤りであろう。また、ある種の仮説を立てたら最後、その仮説に縛られ思考、発想がその仮説から抜け出せなくなる狭量な人間の限界に対する申し立てである。
 著者は、ロフタスの章で、「ロフタスはアネクドータルな証拠を「アネクデータ」と呼ぶ」とロフタスを揶揄しているのだが、これは、アネクドータルな=逸話的な証言の持つ客観的事実とは別の豊かさを、科学的という名の下に数値化=データ化してしまうことに対する著者の苛立ちをあらわしている。だからといって、たんに情緒的に心理学実験を批判をしているのではない。実験によって確認された事実に関しては明快な評価を下していることを読み落としてはならない。たとえば、モニスのロボトミーのその後の意義に対する一定の肯定的な見解は、精神科で使われる薬物に対する批判がアメリカでは行われないこととと絡めれば、きわめて説得的な議論といえよう。カンデルの研究に対しても「彼のアプローチは間違いなく還元主義的だったけれども、部分部分の総計よりはるかに大きな洞察を生み出したのである」と妥当な評価を下していると思う。
 少なくとも著者は、これら10の実験をさまざまな側面からその意義を検討している。一見主観的に書かれた書物のようには見えるが、実は高い客観性を保持しているといえよう。だが、著者の目指すものが、心理学実験を行う心理学者の持つ背景の影響を考えるというメタ分析であり、そこに還元主義を超えた意味を見出そうとする以上、著者自身が自分もまたメタ分析されるということだ。
 たとえば、この著者を境界型パーソナリティ障害だとかいう読みかたをする読者があるかもしれない。でもここまで鋭い著者のことだ、「解釈はどうぞご自由に。私自身が何者か、その証拠は本文中に一杯ばらまいてあるわよ」と反論するであろう。
語り口に確かに気になるところはあるものの、著者の恐るべき高い教養と、見識に脱帽して星5つである
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