タレントのCDデビューや著書出版となると,「どうせまた・・・・」と色眼鏡をかけてしまうのが僕の悪い癖で,この手のアルバムは敬遠していたのだが,先行シングル2曲が好印象だったので思わず購入・・・・これがなかなか良い。変な色眼鏡をかけて食わず嫌いならぬ「聞かず嫌い」は大損だなと思った次第。
癒し系バラードの「心こめて」と,真っ直ぐに疾走するアップテンポの「好きだから」。先行シングル2曲は,サウンド・スタイルこそ異なるが,ベースにあるのは切ないまでにピュアな心情を綴った歌詞と,メディアで見た印象そのままの飾らずひたむきなヴォーカル。この2曲に限らず,アルバム全体を通じて,等身大で飾らない素朴な魅力があふれている。
ユーミンが描きそうなお洒落でパステル・タッチの「君へ」,素朴なメロディーながら心温まるスロー「手紙」,キャッチーでエモーショナルなアップテンポ「闇を突きぬけてゆく」,ピアノを基調としたシンプルながらもピュアで伸びやかなバラード「時の中に」と聴きどころが多く,充実した内容。
特に先進的なサウンド・スタイルがあるわけでもないし,社会派メッセージが込められているわけでもない。あるのは飾り気のない等身大の日常。でも,暗い出来事が多くて先行きの不透明な昨今,平凡だけどピュアな歌ほど胸に染みる。そんな1枚。