心の哲学の入門書の大半は、実は前提知識がないと理解できず、
特定の論点に比重が偏っていたりします。
これに対して、本書は心の哲学の「本当の」入門書です。
まず、論理学の基礎知識からの説明もしています。
基本的な論点を概ね押さえています。
基本的な学説への批判と反論をひと通り書いています。
特定の論点に比重が偏っていません。
個々の部分で個別の学者名には一切言及していません。
まるで資格試験(心の哲学試験?)の予備校テキストのような著書です。
本書が難しくて分からない人は、哲学には向いていないと思います。
このように書くと中身が薄いと思われるかもしれませんが、そうでもないです。
哲学書特有の回りくどく文学的な言い回しを極力排して、論理の記述に徹して、
学説への批判と応答を淡々と書いた骨太な内容です。
本書を読めば、個々の論点とそこでの議論の骨格が理解できると思います。
しかし、本書を読んですぐにデイヴィドソンやキムの著書を読もうとしても、
読めないと思います。以下の著書などを経由した方が良いです。
シリーズ心の哲学〈1〉人間篇心の現代哲学マインド―心の哲学心のありか―心身問題の哲学入門