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心にナイフをしのばせて (文春文庫)
 
 

心にナイフをしのばせて (文春文庫) [文庫]

奥野 修司
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商品の説明

出版社 / 著者からの内容紹介

1969年春、横浜の高校で悲惨な事件が起きた。入学して間もない男子生徒が、
同級生に首を切り落とされ、殺害されたのだ。「28年前の酒鬼薔薇事件」である。
10年に及ぶ取材の結果、著者は驚くべき事実を発掘する。殺された少年の母は、
事件から1年半をほとんど布団の中で過ごし、事件を含めたすべての記憶を失って
いた。そして犯人はその後、大きな事務所を経営する弁護士になっていたのである。
これまでの少年犯罪ルポに一線を画する、新大宅賞作家の衝撃ノンフィクション。 --このテキストは、 単行本 版に関連付けられています。

内容(「BOOK」データベースより)

「あいつをめちゃめちゃにしてやりたい」―。40年近くの年月を経ても、被害者はあの事件を引きずっていた。歳月は遺族たちを癒さない。そのことを私たちは肝に銘じておくべきだと思う。『ナツコ 沖縄密貿易の女王』で大宅壮一ノンフィクション賞を受賞した著者の、司法を大きく変えた執念のルポルタージュ。

登録情報

  • 文庫: 325ページ
  • 出版社: 文藝春秋 (2009/4/10)
  • ISBN-10: 4167753677
  • ISBN-13: 978-4167753672
  • 発売日: 2009/4/10
  • 商品の寸法: 15.2 x 10.6 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.9  レビューをすべて見る (98件のカスタマーレビュー)
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284 人中、260人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 留吉
形式:単行本
少年犯罪史の中でも有名なこの「同級生首切り殺人事件」は、酒鬼薔薇事件が起きたときにマスコミなどにも取り上げられて、
加害者の少年が今では弁護士となり、地元の名士として暮らしていることも伝えられました。
それを知ったときには、「もしかしたら、人の役に立つ職業に就くことで過去の償いをしているのだろうか」とうっすら期待をしたものですが
そんな自分の甘さをこの本を読んで痛感しました。現実はあまりにも残酷でした。

この本は、事件後の被害者の家族、特に妹さんの視点に立ち、
被害者家族がどれほど苦しみ、破壊されていったかを生々しく綴っています。
ショックから立ち直ることができず、娘をどんどん追い詰めてしまう母親
そんな親に反抗しながら、自分も呪縛から抜け出ることができない妹さん
読んでいて少し苛立ちすら感じたのですが、でも、もし自分の身に同じことが起きれば、やはり同じように心が壊れただろうと思いました。
苛立つほどに生々しい話だからこそ、リアルに感じ、共感することができました。
ここまで語ってくださったご家族の方にお礼を申し上げたいです。

一方の加害者は、国費で教育を受けて成功者となったが
被害者への謝罪の言葉は一度とてなく、賠償金もわずかな金額をを払ったのみでストップ、
それどころか困窮する被害者家族に金を貸し付けて恩を着せようとする。
それでも法的には何の問題もないし、多分この加害者は(法的に見れば)立派に「更生」した例なのでしょう。
なんだかやり切れない気持ちになりますが、では、加害者が自責の念で廃人にでもなっていれば満足かと問われれば、そういうわけでもない。
いったい更生とは何なのだろう、どうあったら一番良いのだろうと、いろいろ考えさせられました。
なお、著者は被害者家族の側に寄り添って書いていますので、当事者に対して公平な見方をしていないと感じる読者の方もいらっしゃるかもしれません。
私は、そういう立場で書かれた本だからこそ価値を感じて★5つ付けましたが、客観的なノンフィクションを好まれる方はその辺を割り引いてください。
このレビューは参考になりましたか?
41 人中、37人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
罪と罰 2009/5/19
形式:文庫
時間というのは冷酷である。今から40年前にこのような出来事があったことを、誰が覚えていただろうか?ただ被害者の家族を除いて。

本書は、平凡な一家があまりにも残酷な形で長男を失ったことにより、どのような苦しみを背負ってその後の人生を歩んでいったかの記録である。加害者側については、少年法の壁による情報の少なさから多くは知り得ないのだが、その後短期間で社会に復帰し、弁護士になり地元の名士として表向きには幸せに暮らしていることが判明する。また、著者の取材に対して殺人事件を起こした犯人としての贖罪の気持ちが全く見えないような対応をする。

本書発売後インターネット上で名前等が暴露され、弁護士を廃業するに至ったということで、加害者は社会的な制裁を受け続けていることにはなるが、誰もが釈然としない思いを抱くのではないか。

少年法については酒鬼薔薇事件以来議論され、改正されてきた。現在の法律で当時の事件を裁けば、当時15才の加害者は刑事裁判を受けることになると思うので、制度上の問題は大きく前進していることだろう。

しかし、将来のある人間の人生を奪い、家族を現在進行形でいまなお苦しめ続けているという行為に対する罰とはどうあるべきなのだろうか。

加害者は弁護士という難しい試験を合格するまでに「更正」したが、自己の行為の重大さと人間としての責任を理解する心をもつまでには更正できなかった。
性善説、性悪説どちらで裁くのか?答えはその中間にあるのだろうが、法律とはそのような曖昧さを許すことはできないものである。
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42 人中、36人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
家族の物語 2006/11/7
By kokodokodoko! トップ1000レビュアー
形式:単行本|Amazonが確認した購入
読んで衝撃を受け、レビューを書こうとアマゾンに来てみれば、カスタマーレビューがこんなに。それだけ、多くの人に「語らせよう」という力を持つルポです。
中学校のころから「からかわれ」ぎみだった少年Aが、ナイフで同級生を殺し、首を落としました。被害者家族には差し伸べられる公けの手もなく、耐え難い視線にさらせれながらも、妹、両親で必死に生き延びます。本書は被害者の妹の証言を中心にまとめられています。その苦難の道のり、孤独なそれぞれの心、痛切な家族の物語です。
半壊してしまった母親、自分が死んでいたらこんなことにはならなかったのかと思う妹、全ての煩悶を自分の中に閉じ込めた父親。
語り合いぶつけ合えないままに、昇華されることのない事件の重み。
終章近く、加害者少年の社会的に成功した立場が判明します。
このルポタージュを読んだ人は、なんたることぞと加害者のその後の生き方を思うのでしょう。
きっと、法律を学び、加害者は知ってしまったのだ、未成年の時の行ったことには、責任をとらなくて許されるものだと、と読者は少年法の問題点を考えずにはいられなくなるでしょう。
でも、本書からは事件の全容を読者は読み取れません。
加害者の歴史がすっぽりと抜け落ちているからです。
そのことを踏まえたうえで、読後の判断を持つべきと思います。

ひとつだけ、この本の帯、あまりにも本を売ろうとしすぎていて、断定的になっています。
もっと複雑に交錯したものを扱った著者に、そして語った被害者家族にこれでは失礼ですよ。
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最近のカスタマーレビュー
泣きました
心に深く突き刺さる本でした。

2012年2月。ちょうど山口県光市の母子殺害事件の死刑判決が確定し、... 続きを読む
投稿日: 3か月前 投稿者: koukainame
「少年法」の被害者
1.少年法の存在意義... 続きを読む
投稿日: 3か月前 投稿者: Manbow
ノンフィクションの興味深さ
ノンフィクションが好きです。事実は小説より奇なりと言いますが、まさに。... 続きを読む
投稿日: 3か月前 投稿者: 子ぶた1号
とりあえず事実の発掘だけでも意義あり
加害者が弁護士となり社会的成功者となっていた反面、被害者家族は…... 続きを読む
投稿日: 9か月前 投稿者: びゅーてぃふるまいんど
ワクワクゼロ
まずワクワク等を求めている方は買わないで下さい。
この本のほとんどは、被害者の生活が繰り返し書かれているだけです。
つまらなすぎてヤバイ
投稿日: 10か月前 投稿者: 俺
最初と最後はおもしろかったですが。
事件の衝撃性に興味を持ち購入しました。
丁寧な取材をして書き上げた作者には申し訳ないですが、... 続きを読む
投稿日: 13か月前 投稿者: bouya
すごく惜しい。
 少年犯罪の「被害者」側のその後を中心に描いたルポルタージュ。... 続きを読む
投稿日: 16か月前 投稿者: ゆき恵
「不十分」の 批判のほうが 正当だ
1.内容... 続きを読む
投稿日: 20か月前 投稿者: 清高
この痛みはどうすればいいのだろうか!?
『事実は、小説よりも奇なり!!』
一方は、愛する子供を亡くし悲惨な生活をしいられ、... 続きを読む
投稿日: 21か月前 投稿者: rinhime
28年前の酒鬼薔薇、あるいは被害者一家の崩壊
28年前の少年A事件と名高いサレジオ高校殺人事件

本書はその犯人少年が成人後 弁護士になっていたという衝撃の結末で... 続きを読む
投稿日: 22か月前 投稿者: u1261047
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