本書の軸は、沖縄地上戦の悲惨さの記述にある。それは、アメリカが上陸のはるか前から沖縄の占領(植民地化)を決定していたこと、日本政府がアメリカ軍の上陸が確実なのに十分な対策を打たなかったこと、そして何より14万人もの県民が命を落としたことなどの全てを含んでの悲惨さである。
それを大田氏がこれまでの研究蓄積を生かし、豊富な資料、数値で示しており、なかなか説得力がある。また、大田氏が知事時代にエリート養成のために留学支援制度を充実させたこと、沖縄は米軍基地がなければ生きていけないという俗説の否定など沖縄の未来を考えるヒントもちりばめられている。
ところどころ、大田氏と佐藤氏の話がかみ合っていないところがあったが、生の対談を下に作った割にはそういう箇所も少なく、読みやすかった。