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徹底検証 日清・日露戦争 (文春新書)
 
 

徹底検証 日清・日露戦争 (文春新書) [単行本]

半藤 一利 , 原 剛 , 松本 健一 , 戸高 一成 , 秦 郁彦
5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

乃木希典は本当に愚将だったのか「智謀湧くが如し」秋山真之の弱点とは?戊辰戦争の生き残りが見せた勇猛果敢東郷ターンは偶然だった?明治期の陸・海軍、歴史に精通した五人が日清・日露両戦役の真実に迫る。乃木愚将論について意見を戦わせ、作戦を検証し、司令官・参謀たちの知られざるエピソードを披露する。昭和の失敗、平成のリーダー論にもつながる白熱の議論。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

半藤 一利
1930(昭和5)年東京生まれ。作家。東京大学卒業後、文藝春秋に入社。『週刊文春』『文藝春秋』各編集長、専務取締役を経て文筆業に。主な著書に『漱石先生ぞな、もし』(新田次郎文学賞)、『ノモンハンの夏』(山本七平賞)、『昭和史』戦前篇・戦後篇(毎日出版文化賞)など

秦 郁彦
1932(昭和7)年山口県生まれ。歴史学者。東京大学卒業後、大蔵省入省。ハーバード大学、コロンビア大学留学を経て防衛研修所教官、大蔵省財政史室長、プリンストン大学客員教授、拓殖大学教授、千葉大学教授、日本大学教授を歴任。平成5年度の菊池寛賞受賞

原 剛
1937(昭和12)年香川県生まれ。軍事史研究家。軍事史学会副会長。防衛大学校卒業後、陸上自衛隊入隊。防衛大学校、陸上自衛隊幹部候補生学校などの教官を務め、防衛研究所戦史部に勤務。テレビドラマ「坂の上の雲」の陸軍軍事考証も行う

松本 健一
1946(昭和21)年群馬県生まれ。作家・評論家。麗澤大学教授。東京大学卒業、法政大学大学院修了。京都精華大学教授、麗澤大学比較文明文化研究センター所長、内閣官房参与を歴任。主な著書に『近代アジア精神史の試み』(アジア・太平洋賞)、『日本の近代1 開国・維新』(吉田茂賞)、『評伝 北一輝』全5巻(司馬遼太郎賞、毎日出版文化賞)などがある

戸高 一成
1948(昭和23)年宮崎県生まれ。呉市海事歴史科学館(大和ミュージアム)館長。多摩美術大学卒業。財団法人史料調査会理事を経て、厚生省所管「昭和館」図書情報部長、呉市企画部参事補を歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 単行本: 282ページ
  • 出版社: 文藝春秋 (2011/10)
  • ISBN-10: 4166608282
  • ISBN-13: 978-4166608287
  • 発売日: 2011/10
  • 商品の寸法: 18.1 x 11.1 x 1.9 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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6 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
座談会 2011/11/23
「坂の上の雲」を補完する形で読んだが、想像以上に外堀が埋まり、知識が深まった。
半藤、秦、最高の知識人が「これはどう」「あれはどう」と知ってる知識を次から次に披露していく。知識合戦。
目からウロコ的なヘェ〜と唸る事実も多く、読んでて爽快。
「坂の上の雲」を読んでなくても楽しめる、それが『徹底検証 日清・日露戦争』(文春新書)
このレビューは参考になりましたか?
8 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By モチヅキ VINE™ メンバー
 本書は日本近代史や軍事史に詳しい1930〜48年生まれの5人(元文藝春秋編集長、元防衛研修所教官(元大蔵官僚)、軍事史学会副会長(元自衛官)、元内閣官房参与、海軍研究家)が、2009年に行った2日間の座談会の内容を、2011年に出版したものである。本書によれば、第一に日清戦争は首脳部にとって大義名分の乏しい戦争であったが、論客の膨張主義と軍部の独走(征韓論期の作戦計画も参照)で開戦に至った。第二に、日清戦争では清軍の前近代性のために、日露戦争では敵将の采配ミス(撤退作戦等)のために日本が勝利したが、日本軍の作戦行動自体には甘さが目立った。ただし秋山の騎兵や黒木軍などが善戦している。第三に、徴兵逃れが多かった日清戦争では、国民への宣伝のために美談の主人公は一兵卒だったが(また大臣クラスが前線に立っている)、日露戦争ではそれが上級士官になる。第四に、日清戦争も日露戦争も宣戦布告前に戦闘が始まっている。第五に、日本軍の現地徴発主義や補給軽視は、日清戦争時から始まっている。第六に、海軍による旅順奇襲・閉塞作戦失敗のつけを負わされた乃木は、必ずしも愚将とは断言できないが、忠君の美学に基づく乃木神話は後代に悪影響を及ぼした。第七に、日本海軍の航路護衛主義は問題が多い。第八に、黄海海戦で丁字戦法の弱点が判明したことが、日本海海戦の併航戦につながった。第九に、日本軍は弾丸不足を奇襲・夜襲で補ったが、これは危険な策である。第十に、伊集院信管は敏感すぎて砲身内自爆を頻発させた。第十一に、敵の射程内での東郷ターンは誤算の結果だった。第十二に、日本海海戦時の連繋機雷奇襲戦法が「浪高し」の故に中止されたことが、極秘戦史から判明する。第十三に、日露戦争の完勝イメージゆえに戦訓が見失われ、高級軍人の華族化も真実の隠蔽や精神主義につながった。
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7 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By ib_pata VINE™ メンバー
 『坂の上の雲』で愚将として描かれた乃木希典には白襷隊ができたぐらい統率力はあったのに、司馬遼太郎さんがそこを評価しないのはおかしいとか(p.167-)、日本海大海戦は丁字戦法で勝ったわけではなく、実は連携機雷という秘密兵器の存在を隠すために、小笠原長生による伝記で、動かざること山のこどき元帥が東郷ターンから始まった丁字戦法によってバルチック艦隊を撃滅したという神話が流布されていったというあたりは面白かった(p.252-)。特に丁字戦法に関しては、150巻という『極秘明治三十七、八年海戦史』という新しい資料が出てきて明らかになったというのは、知りませんでした。極秘というので、全巻揃ったのは海軍大学校、海軍軍令部、明治天皇に献上された三部だけという資料で、海軍大学校と海軍軍令部にあったものは第二次大戦の敗戦時に燃やしてしまい、宮中にあったものだがけが残ったといいます。それを昭和天皇が亡くなる直前、下賜されて今は防衛省防衛研究所に所蔵されているそうです。この資料を読み込んだ戸高さんの話は、この本の白眉。

 司馬さんがあまり深く取り上げなかった陸軍の元桑名藩士立見尚文、海軍の鈴木貫太郎の話しも印象的。立見尚文陸軍大将、男爵は桑名藩士で戊辰戦争では北越戦争の雷神隊隊長として官軍を敗走させ、山縣有朋も軍刀を奪われたほどの戦上手だったとのこと。鈴木貫太郎は鬼貫太郎というあだ名がつくほどの勇猛果敢ぶりで、「日清、日露、そして太平洋戦争終結時と、国難を三度救いました」(戸高一成)という評価も納得。日清戦争のヒーローは死んでもラッパを口から離さなかった木口小平、平壌の戦いで玄武門一番乗りの原田重吉、黄海海戦の「まだ沈まずや定遠は」の三浦虎次郎とみんな名もなき一兵卒。日露戦争で広瀬少佐、橘少佐など上級仕官がヒーローとなっていったことの対比からも、日清戦争が明治という新しい秩序に生きた民衆の戦いであったことがクローズアップされる、というあたりもなるほどな、と(p.27)。
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