「日本の三大銀行」すなわち三菱UFJ、みずほ、三井住友の三大金融グループの、今日に至る(主に合併の)流れについて、財閥の歴史や特徴を交えながら綴られている。私はここに出てくる「三大銀行」の一つに勤める者だが、「そういえばこんな経緯で合併したなあ」「そんな経済事件もあったなあ」と、少し懐かしく読める部分もあった。著者の言う「プリンシプルなき合併」は説得力があり、バブル崩壊した当時は「ウチの銀行は他と合併しないでいいのか?」などと、根拠のない不安を抱きながら仕事をしていた記憶がある。そして今、資産規模だけ巨大になったものの、当時と比べて新しいビジネスモデルや顧客を引き付ける提案ができているかといえば、甚だ疑問である。一方、組織が肥大化したことで、どこにどのような部署があるのか、いまだに理解できていない状態である。また旧行意識も根強く、一つの銀行と呼ぶにはまだまだ相当の時間を要するだろう。著者は本書で明確な結論を提示していない。「グッドバンク」とは何か、日々追求していくことになるだろう。