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徴税権力―国税庁の研究
 
 

徴税権力―国税庁の研究 [単行本]

落合 博実
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徴税権力
国税庁とは何か。元朝日新聞記者として長年同庁を担当し数々のスクープをものにして名を馳せた著者が、徴税機関が有する「巨額マネーを巡る情報収集力」という視点から、その強みや問題点を解き明かしていく。同庁については「秘密主義の官庁の中でもガードの堅さは群を抜いている」と指摘しながらも、内部の協力者から得た極秘扱いの「内部文書」を紹介するなどして、脱税事件の舞台裏にも迫る。

同庁の情報収集力と資料分析力は、「最強の捜査陣」と喧伝される検察庁をもしのぐと著者は言う。例えば1993年に起きた「金丸事件」。自由民主党元副総裁・金丸信氏の巨額脱税を摘発した同庁査察官の手腕を振り返る。

その一方で「与党と一体となって行政を進める大蔵省(現財務省)の外局にすぎない国税庁は、有力政治家からの圧力に弱い。(本件の成果は)やはり例外中の例外であった」とも論じる。「永田町からの圧力」により、脱税事件が単なる申告漏れとして処理された事例も少なくないと言い、事件としての立件に執念を燃やす地検特捜部との間に確執が生じることもあったと指摘する。例えば、91年の地産グループ総帥による43億円の申告漏れなど、政治家が同庁の調査に介入したケースを関係者の実名を挙げて告発する。


(日経ビジネス 2007/03/26 Copyright©2001 日経BP企画..All rights reserved.)

内容(「BOOK」データベースより)

五万人を超す組織が日々絶え間なく、個人や企業の経済取引や資産形成など金の動きに眼を光らせている。そこには膨大な「マネー情報」が集積されていた。国税庁はその比類ない機能により独特の凄みと嫌らしさを兼ね備えた組織だった。極秘資料を満載!スクープ記者30年の取材成果がここに―。

登録情報

  • 単行本: 263ページ
  • 出版社: 文藝春秋 (2006/12)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4163687408
  • ISBN-13: 978-4163687407
  • 発売日: 2006/12
  • 商品の寸法: 19 x 14 x 2.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.4  レビューをすべて見る (15件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 192,606位 (本のベストセラーを見る)
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形式:単行本
第一章の「金丸信摘発の舞台裏」は大変面白く刺激的であった。特に国税庁の査察官が当時の日債銀本店に査察に入り、秘密裏に当行の営業部次長の机の中から「金丸」の二字の書かれたA4判の紙切れ一枚(割引債購入の情報)を発見したのが、金丸逮捕劇のキーになった件はまるで推理小説を読むようであった。いや、たった一枚の紙切れが事実上政界のドンであった金丸逮捕以降の自民党(経世会)の迷走となり、さらには現在の日本の政治状況を生み出したとすれば、推理小説描かれる以上の劇的な出来事でったとも言えるであろう。

第八章の「国税対創価学会」も私にとっては大変気になる内容であった。字数の関係で詳しくは書けないが、当時創価学会の池田会長の金庫番とされた中西氏のゴミ処理場に捨てた古金庫の中から一億7千万円近くの金が見つかった事件は、その真実をもっともっと白日の下に知らしむるべき事件であると思う。

どちらにしてもこの「徴税権力」は読みやすく興味尽きない内容の本であり多く人々に読まれることを望みたい。
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22 人中、20人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
 朝日新聞社の編集委員として活躍された落合博実氏が、自身が担当してきた国税庁の核心部分を豊富な内部情報や極秘資料をもとに詳細にレポートしている。とかく「朝日」とつくと、言論界ではディスカウントされがちだが、へんな朝日くささは微塵もないので朝日嫌いの人にもお勧めである。

 たとえば、政治家が支持者の面倒を見るためにいかに国税当局に口利きをしてきたか。本書第2章「介入する政治家」では、国税当局側に政治家からの介入記録(整理簿)なるものが作られていることを明かし、小泉純一郎総理も、暴力団と関係のある自身の支持者のために国税当局にプレッシャーをかけていたことが暴露されている。一方で第8章「国税対創価学会」では、日本最大の宗教団体の創価学会になかなか税務調査に乗り出せない弱腰ぶりも描かれている。このほか、いったん国税に目をつけられたら逃れられない「重要事案管理対策者名簿」、取材記者を警戒して作成される内部資料「マスコミ取材連絡せん」など、興味深いエピソード満載だ。

 ただし、年季の入ったベテラン記者なので過去30年の蓄積の厚みを感じることはできるが、いささか取り上げる事例が古い部分がある。

 また、国税当局が熱心に税金を集めたとしても、無駄な公共事業や特殊法人など、そのつかわれ方がめちゃくちゃな日本では、国税の熱意にある種のむなしさも感じる。「永遠なる旅行者」がベストセラーになる21世紀のこの国で、金持ちや能力のあるものほど海外「非居住者」になるだろう。
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By mfhty トップ500レビュアー VINE™ メンバー
形式:単行本
(1)この本の特徴は?
 国税庁の活動そのものを書いているというよりは、むしろ、他の機関・関係者(政治家、検察、大企業、マスコミ、創価学会など)との関係を書いている面が強い。これまで余り意識しなかった国税の微妙な立場を垣間見ることができる。

(2)おもしろい?
 国税庁を長年担当したベテラン記者が書いただけあって、金丸事件のような大事件や国税庁職員からのリーク情報などが書かれておりなかなか読ませる。残念なのは、エピソードがかなり古い点であるが、反面、変な「想い」や「カド」がとれたいわば熟成された味わいがある。文章は平易で読みやすく、難しい税法に関する記述もない。税に興味のない人でも十分に興味が持てると思う。

(3)国税の手口は書いてある?
 ただ、脱税の解明方法や摘発の現場のようなナマナマしい記述は余りなく、記者クラブで幹部を相手に活動してきた成果を書いているという印象はある。なので、国税の調査手法を知りたいという人や映画「マルサの女」のような現場サイドの人間模様を読みたいという人には向かない。
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