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文京区小石川の一画で、中世のような暮らしがつい数十年前まであったのか、とおもうと感慨深い。
慶喜公が蟄居中の運動不足を補うために廊下を幾度も往復したこと。
江戸城から元将軍と共にくだってきた老女。
疱瘡で肌をいためたためにお嫁入りできなかった一條家の姫、その身代わりに一條家の養女となって皇室に入った姫の話。
徳川家の姫君、と聞くと平民には縁のない世界の人だが、上流階級では天皇家こそが天上人で、徳川家といえども家臣の扱いだとか。
世界の違いに愕然。
姉姫は幼い頃から天皇家にお嫁に行くと決まっていたとのこと、それは喜佐子姫方の母親が有栖川宮家の王女であったから。
「戦前の学習院はどなたもみんなどこかでご親戚」との文にあるとおり、上流階級の血縁による紐帯の深さを想像した。
この本の中では、美しく賢く大人びた方として描かれる喜久子姫は「菊と葵のものがたり」という本を出しているが、その口調から察するに、意見のはっきりした活発な方のよう。
併読すると、同じ事柄に対する姉姫と妹姫との視点の差がわかって興味深い。
「子供部屋」とのタイトルどおり、幼少の時期の行事、食べ物、しつけなどについ頁の大部を割いており、結婚後の生活についてはごく淡白に描かれている。
大人になってからの生活については同著者の「殿様と私」に詳しい。
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