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微熱狼少女 (集英社文庫)
 
 

微熱狼少女 (集英社文庫) (文庫)

仁川 高丸 (著)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

女子高生・藤乃。赤みがかった髪を狼カットにしている。彼女にはゲイの父親と、暴力的な恋人・誠がいた。そんな藤乃に接近してくる社会科の非常勤講師・三島麻純(♀)23歳。三島は自らがレズビアンであることを公表している。揺れ動く藤乃の心の中で、次第に三島の存在が大きくなって…。女子高生と女教師の奇妙で熱い愛の光景を、確かな筆致とみずみずしい感性で描く衝撃作。

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5つ星のうち 5.0 いい, 2003/11/1
By カスタマー
人の心は心で動くんだなぁって・・
人を好きになると変わるもんだなぁって
そう感じる一冊です
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5 人中、0人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0 狼である必然, 2004/8/19
 そうか、彼女は“狼”なのだ。読了後しばらくしてから思い出した。燻る腑に落ちなさを飲み込んでしまおう。彼女にはシンパシーも同情すらも必要ないのだ。狼だから。

 例えば、冒頭で描き出される誰も居ない生徒会室。揺らぐ煙草の煙。あるいは居場所のない家と男しか居ない部屋。あたかも十代の頃に夢想した不安と不毛を呼び覚ますような筆致は読者をどぎまぎさせるに十分足る。剥き出しの壁を背に蹲る少女の肩に手を置いて、ああ、お前も狼であったか、と。だが我々はそこに通り過ぎた日の甘美な寝床の匂いを嗅いではならないことをやがて直感するに違いない。かの少女は真性の“狼”なのだから。狼は純粋かつ孤高でなければならない。所詮饐えた過去を余すだけの“自称“狼であった我々では到底その清亮めく血の宣託を窺い知る由もないのだ。だからこそ、なんの前触れもなく明かされるオヤジや、親子の秘密に、自称狼たちは狼狽えたり失望したりしてはならない。天性の狼である彼女には、我々が嘗て心に抱いたような「理由の無さ」も「行き場の無さ」も、ましてや構造も精神分析も要らない。むしろ判り易過ぎるようなトラウマや安直な心の傷こそ賦与されて然るべきなのだ。繰り返される自暴と更生というスティグマは明快な分だけ純潔であり、同時に我々を白けさせる。教師三島が抱きしめる以上に痛々しい傷跡がそこに開く。

 しかも狼の喘ぎは死絶の歌でさえある。彼女を取巻く筈の人獣相克の物語は最早御伽噺である。親父の身勝手は単なる勝手としか描き得ない。彼らを縛り、解き放った時代のドラマはその骸を晒すばかりなのだから。狼たちはただ茫洋たる世界で微熱によってよろめき、読者はそれをどこまでも傍観する。現代の紙面に狼を降ろす難しさ、彼女の痛々しさはそれを暗示して余りある。

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