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微分と積分―その思想と方法 (日評数学選書)
 
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微分と積分―その思想と方法 (日評数学選書) [単行本]

遠山 啓
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商品の説明

内容(「MARC」データベースより)

高校生から大学初年級生まで、誰にでも微分積分の本質が分かるように、筋道を丁寧に解説。1970年刊の新版。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

遠山 啓
1909‐1979年数学者。東京工業大学で教鞭をとるのと同時に、民間教育団体「数学教育協議会」の委員長をながくつとめ、その仲間とともに水道方式、量の理論、楽しい授業など、実践の裏付けをもった数学教育の理論と方法を開発・提唱した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 単行本: 284ページ
  • 出版社: 日本評論社; 新版 (2001/07)
  • ISBN-10: 4535601305
  • ISBN-13: 978-4535601307
  • 発売日: 2001/07
  • 商品の寸法: 21.2 x 14.8 x 2.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 380,250位 (本のベストセラーを見る)
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8 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
この名著にいまさらレビューを書くのにはためらいがあるが、古典であるがためにレビュー数が少ないので、
若い世代向けに本書の内容を紹介する。
 本書には「微分」と「積分」を主題として、高校数学のエッセンスがまことに丁寧に述べられている。
読者の頭には、それぞれの概念についての生き生きとしたイメージが湧いてくることだろう。

まず、関数のイメージが図や工夫された表記法を使って示される。連続、収束という概念や、
自然対数の底「e」の意味なども具体的に述べられる。
 微分の章も、単なる微分のテクニックを紹介するのではない。三角関数を習うとき、円の一周の角度を2πとする
弧度法という角度計測法が導入されるが、その有難味も微分によってわかるのだ、と解説される。
全く同じ理由で、指数関数の底として10でなく「e」を選ぶのだ、ということに関しても深い納得が得られる。
 関数の関数や逆関数についてもわかりやすい解説がある。dy/dx という微分記号は分数ではないが
「あたかも分数であるかのように」考えて計算してよいことが示される。
 虚数i の意味がわかっても、e の i π 乗 というような指数の肩に虚数が乗った数の意味はよくわからない。
この点に関しても複素数のイメージと具体的計算が示される。

定積分の項では「内積」(=かけてたす)という計算が基本であることが説明される。
内積は、ベクトルや行列などでも登場する大切な計算である。この「かけてたす」という意味を表すために、
積分記号の末尾にdx が書かれるのだ、ということがよく理解できる。
読者はライプニッツの導入した記号の意味と便利さに思いをはせることになるだろう。
 さらに「タテ割り」の定積分であるリーマン積分に対して、「ヨコ割り」の定積分であるルベーグ積分に言及がある点も
素晴らしい。読者が大学に進み、連続でない関数を積分する場面に出会ったとき、この説明を思い出すことだろう。

不定積分の項では、不定積分とは「逆微分」なのだ、だから、微分の公式を逆に使うのだ、と明快に述べられる。
主要な不定積分が具体的に示されるので、この項を読んだ後に読者は、それまで難しく見えていた不定積分が、
容易に計算できるようになっていることは間違いない。

最後に微分方程式についての章がある。数学の微積分と物理の力学を別々に勉強していると、どちらも、わかったような、
わからないような中途半端な気分のままにとどまってしまう。が、微積分を使って物理の問題を解く、という経験を経ると、
数学・物理の両方について「そういうことだったのか」と深い納得が得られる。この章は、その納得を得させてくれる。

本書は、一通り高校数学を学習した読者に対して、より確固とした数学の世界を思い描く力と、
より深く「わかった」という感覚を与えてくれる。
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26 人中、23人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 西岡昌紀 VINE™ メンバー
形式:単行本
 
 数学は、言葉である。どんな難しい数式も記号も、最終的には、日常の言葉によって説明され、直感的に理解されなければならない。微積分学も、もちろん例外ではないが、微積分学の場合、数学の他の分野とは少々異なり、直感的には理解出来る事を逆に、論理によって、証明する事の難しさをもどかしく思ふ場合が少なくない。これは、微積分学を学ぶ時、誰もが経験する不思議な経験であるが、その論理的なもどかしさこそは、微積分学の根底に有る思想的問題の深さを反映する物なのである。それは、「哲学」と呼ぶ事も出来るかも知れない物で、西欧文化に深く根差した物であるが、折角、微積分学を学びながら、そうした微積分学の根底に有る思想について考えを深めない事は、勿体無い事である。近代的な意味での微積分学が、かつては西欧の師であったイスラム世界ではなく、まさに西欧で生まれた理由が何であったかは、極めて興味深い問題であるが、この本を読むと、そんな事についてまで考えさせられてしまう。この本は、その副題(「その思想と方法」)が語る通り、微積分学の根底に有るそうした思想を数学史に即して語ろうとして居るのである。この本は、又、微積分学の他の教科書が、曖昧な説明で誤魔化したり、或いは、説明、証明を省略してしまふ部分を、丁寧に、分かり易く説明して居る。こうした数学史的な論考の深さと、大切な説明、証明を省略して居ない点において、この本は、まさしく、名著の名に値する本である。--微積分学の初学者(つまり、高校生)こそは、この本を手元に置くべきである。--本書を若い日本人に強く推薦する。

(西岡昌紀・内科医)
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18 人中、16人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
大学に入ってから解析学におけるイプシロンーデルタ論法等、より厳密な微積分の扱いに悩む人は多いが、この本は微積分の「考え方」を丁寧に解説した遠山氏ならではの入門書である。高校生でも十分読みこなせるだろうから、高校数学と大学数学における微積分学のギャップを埋める上で役に立つ。ただ多変数の関数までは扱われていないので、当然、偏微分や重積分は扱われていない。しかし多変数になっても基本的な考えは同じだから、別の本、例えば「続ラング解析入門」等で適宜補うと良い。
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