2004〜2005年に集英社のビジネスジャンプに連載され、単行本が一巻のみ出ていた長屋の名差配五平さんを狂言回しに描かれる江戸時代の人間模様「人情幕ノ内」の続編です。
版元をリイド社に改め、題名の頭に御誂が付きましたが題字は今回も師匠の高井研一郎さんが担当しています。
内容はビジネスジャンプ掲載分3話と現在も連載中のリイド社月刊時代劇コミック専門誌「乱」に掲載された10話を合わせた作品集ですが、既に完成された作風の為、間にブランクが2年有ったとは思えない程違和感が有りません。
写実的な御江戸の街並みを背景に前記高井研一郎さんや、西岸良平さん、滝田ゆうさんにも通じる極端にデフォルメされた人物が光と影を浴びて描かれる作風はクセが強く、実は私も当初は読まず嫌いだったのですが、ジワリジワリと内容と絵の深さに感化され、いまでは掲載誌中1,2を争う続きが楽しみな作品です。
ホロリ、クスリと来る人情のみならず思わず背筋がゾクリとくる人の業も等しく描かれており、作者の漫画家としての高い力量を感じます。
読めば間違いなく面白い隠れた名作です。老若男女隔てなくお薦め申し上げます。