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読んでいて一番感じたのは島田氏のシャーロック・ホームズ作品への敬愛とチック・コリアの音楽への愛情だ。『紫電改研究保存会』はホームズの『赤毛連盟』を連想させたし、『ギリシャの犬』は『四つの署名』のホームズとワトソンのテムズ河での犯人追走を思い起こさせた。また、『失踪する死者』のチック・コリアのライブ放送が始まる前に解決するあたりや、御手洗がアル・ディメオラばりのギター・テクニックを披露するあたりなど同じジャズ好きには思わずにんやりしてしまう場面ばかりだ。
4編とも御手洗の異質な能力と優しさに満ちていて忘れられない読後感がある。中でも『数字錠』でなぜ御手洗と石岡くんがコーヒーを飲まなくなったかが分かる。(●^o^●)
最近インターネットで『ギリシャの犬』のフラッシュ・ムービーを見つけた。実に良くできていた。是非とも本作を読了後、みなさんもネットで探して見て欲しい。
『数字錠』では密室状態での殺人が起こり、関係者には全員アリバイがある。見事な推理で犯人を追い詰めるものの、事件の解決を素直に喜べない御手洗さん。彼の優しさが垣間見える一編です。ちなみに、この中で正式に「私立探偵・御手洗潔」が誕生したそうな。
『ギリシャの犬』はまさに御手洗さんの独壇場。隅田川上で誘拐犯を捕まえるのにノミやトンカチ、バールを持ってこいと言い残し奔走します。残された石岡くんや御手洗さんを良く知らない刑事がその言葉をにわかには信じられないのも良くわかる。
個人的には『紫電改研究保存会』が好きです。御手洗さんは最後にほんのちょっと登場するだけなんですけど、この奇妙な話のオチがまさかそんなことだったとは。。。と短いながらもなかなかひねった話でおもしろかったです。
短編集ということで、4つの御手洗さんが味わえるようなちょっと得した気分になる1冊です。
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