日本のロックの黎明期に、フラワー・トラヴェリン・バンドは
日本人ならではのハード・ロックを目指し名盤『SATORI』を生み出したが、
あれは「日本」ではなく、「日本も含めたアジア地域」を連想させる音である。
真に日本人ならではのハード・ロックを強烈に主張しているのは、
本作のタイトル・トラックである「御意見無用」だ。
阿波踊りの土着的リズムとハード・ロックを見事に融合させた本曲は、
日本人として一度は触れておくべき歴史的名曲である。
(本作の翌年にリリースされた『雨 モップス'72』に収録された
「なむまいだあ(河内音頭)」も併せて聴いておきたい)
また、本作はハード・ロック・アルバムとしても至高の完成度を誇る。
グランド・ファンク・レイルロード並にパワフルな演奏、ZEPに通じる込み入った曲構成、
そして、アニマルズを信奉するシンガー:鈴木ヒロミツのソウルフルな熱唱、
どれを取っても当時の舶来モノのロックと比較して劣るところはなく、
サウンド・プロダクションも良好で、GSのガレージ臭い安っぽさは皆無。
ダークな色合いのヘヴィ・バラード「ノーボディ・ケアーズ」も素晴らしい。
本作は、その場限りの再発ではなく、永遠にリリースされ続けるべき
日本のロックのマスター・ピース・アルバムだ。
1971年の日本に、これだけ素晴らしい作品があったということを、
多くの日本のロック・リスナーはちゃんと把握するべきではないだろうか。
にしても、日本はロック・ミュージックが盛んな国なのに、
先人がどのような音をクリエイトしていたかを知る機会が
あまりにも少なすぎるのはどういうことだろう…。
このモップスにしても、ロックにとって重要な季節を代表するバンドだったはずなのに、
カタログは廃盤扱いや未CD化ばかり。
妙な編集盤を出すぐらいなら、バックカタログをきちんと揃えてよ!
これじゃヒロミツさんも浮かばれないよ。