ずっと前に購入して古文(原文)を拾い読みをしていましたが、
このたび生まれて初めて、徒然草を通しで読みました。
といっても、現代語訳のほうです。
古典なのだから古文で読むべきという考え方はごもっともですが、
別に古文で読まずとも、内容は十分に楽しめます。
アーサー・ウェイリーによる源氏物語訳や中国詩訳がすばらしいように、
難しいことは抜きにして、内容を楽しんでもよいんじゃないかと思います。
内容は、書き手の心や視線の独特な揺れが感じられて、
すばらしい読書の経験でした。
さすがにわざわざ手書きで「コピー」されてまで、
後世に伝えられた文学作品だといわざるをえません。
で、肝心の現代語訳についてですが、
今泉忠義氏といえば古語辞典の人という認識でしたが、
折口信夫のお弟子さんだそうです。
いわれてみれば、語り口がどことなく折口信夫
(といっても僕は詩を読んでいる程度ですが)
を彷彿とさせることがあるように思います。
若干、へんな日本語が混じっているし
(たとえば、「〜である。〜である」という文章の
次に「〜じゃ」のような接尾語がくるなど)、加えて
注釈が(たとえば、同シリーズの枕草子と比べれば)少ないなど、
問題がないとはいえないと思いますが、
ゆえに、内容が貶められているとは思いません。