原典の方は古文の響きをじっくり味わいながら読み込みたい随筆だが、内容的には勤めを引退した兼好が仏教的な無常観をベースにしながら、静かに慎ましく一人暮らしをしていく感興を綴ったもので、やはりある一定の年齢にならないと味わえないものである。そういう意味では、若い人が漫画でお気楽に楽しむにはそぐわない内容なのが、漫画家にとってはハンデではあるだろう。
1〜2コマであっさり流された段が多く、読後の読み足りなさから星は渋めにつけたが、後醍醐天皇一派への批判的視点を導入して再解釈してみた点は、国語の教科書的な読み方しか知らなかった僕にとっては新鮮だった。ただ、この説も専門的に定説となっているのかどうかは、よく分からない。その辺の疑問を自分なりに解釈するためにも、15年振りくらいに原典の方も読んでみようかなと思った。