内田康夫はすごい作家である。日本国に住む者の心をつかむ作品をつくった。
この作品を、内田は冷静に計画して作ったと想像する。
日本列島を切り刻み、各地に生活している者たちに、スポットライトをあて、活力をあたえる。
不思議なシリーズがほぼ完成しつつある。
まさしく、内田ワールドの魔術である。
その最初の作品。
読者は、自分の住んでいる地名でまず関心を示す。おのれの住んでいる土地の歴史と現状を改めて知ることになる。余所者の内田に対して驚き、悔しいけれど負けてしまう。
自己の棲みし場を新しい視点から捉え返すようになる。内田は殺人を題材にして新鮮な視点を提示しつづける。今も日本列島は内田により踏破されつつある。
内田康夫は偉大。彼の作品で自分が生活してきた場を再発見した者は多い。この役割をはたす主人公、浅見光彦が初登場。次々と内田の作品を読み続ける。内田ワールドの世界にのめり込んでいく。とにかく浅見光彦初登場の作品。