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後藤新平: 大震災と帝都復興 (ちくま新書)
 
 

後藤新平: 大震災と帝都復興 (ちくま新書) [新書]

越沢 明
5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

東日本大震災後の今こそ、関東大震災からの復興を指揮した後藤新平に学ばねばならない。都市計画研究の第一人者が、偉大な政治家のリーダーシップの実像に迫る。


【目次より】

序   再評価されるべき後藤新平

第1章 生い立ち――水沢の気風と陪臣の心意気

第2章 地方の医師から内務省衛生局長に

第3章 台湾総督府の民政長官

第4章 満鉄の都市経営――大連と長春

第5章 東京の都市問題――都市計画法の制定

第6章 関東大震災と帝都復興計画

第7章 帝都復興事業の遺産

内容(「BOOK」データベースより)

東日本大震災を機に、関東大震災後の帝都復興に稀代のリーダーシップを発揮した後藤新平が再び注目され始めた。なぜ後藤のような卓越した政治家が出現し、多彩な人材を総動員して迅速に復旧・復興に対処できたのか。壮大で先見性の高い帝都復興計画は縮小されたにもかかわらず、なぜ区画整理を断行できたのか。都市計画の第一人者が「日本の都市計画の父」後藤新平の生涯をたどり、その功績を明らかにするとともに、後藤の帝都復興への苦闘が現代に投げかける問題を考える。

登録情報

  • 新書: 304ページ
  • 出版社: 筑摩書房 (2011/11/7)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 448006639X
  • ISBN-13: 978-4480066398
  • 発売日: 2011/11/7
  • 商品の寸法: 17.4 x 10.8 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
著者の集大成 2011/12/16
By navi
形式:新書
越沢氏はこれまで都市計画の歴史に関して多くの著作があり、それらは東京、台湾、満州国と広範囲にわたっている。そして、それらの著作の多くに登場するのが後藤新平である。本作は、阪神・淡路大震災後に『復興計画』が出版されたように、3.11東日本大震災を意識して、歴史から学ぶことの重要さを訴えたものである。

内容は、第1〜第4章が書き下ろしで、第5〜第7章が旧作を再構成したものである。それぞれ第1〜第2章が後藤新平の生い立ち、第3〜第4章が台湾、満洲の都市計画、第5章が8億円計画と言われた東京市政要綱の成立過程、第6〜第7章が関東大震災後の帝都復興計画についてである。

いずれも著者が研究を重ねてきた分野で読み応えがあり、そういう面では本書は著者の集大成と言えるだろう。本書は、都市問題に関心のある人だけでなく、多くの人に読んでもらいたい内容である。そして、今日の大震災・原発問題で混乱する日本の状況をみるにつけ、改めて後藤新平のような長期ビジョンを持ったスケールの大きな政治家がいてくれればと思う。
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2 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 革命人士 トップ500レビュアー
形式:新書
衛生官僚、植民官僚などを歴任した後藤新平は日本の近代化のグランドデザインを描いた稀有な官僚・政治家だった。本書は今まであまり知られていなかった青年期と東京都市計画へのアプローチを軸に、後藤の生涯を追った。その間の台湾民政長官、満鉄総裁として、「宗主国日本の威光を見せる」目的で建設された豪華な植民地建築や近代的都市計画についても詳細に解説している。

後藤は植民地建設で感じた都市計画の重要性を帝都改造に生かそうと、内相として都市計画を研究する。内相からの降格ともいえる東京市長を引き受けたことからも本気度が分かる。そして、関東大震災ではその関心が見事に生かされた。また、後藤の先見性は事業だけではなく、人材にも向けられていた。ポストが変わるたび目をかけている人材を自分の足下に配置し、存分に仕事をさせる。官僚社会日本では、少し考えにくい「チーム後藤」のようである。植民官僚時代は、新渡戸稲造や中村是公を要職に据え、帝都改造では永田秀次郎、前田多門ら少壮官僚や学者を起用した。彼らもその期待に見事に応え、歴史的な大事業を成し遂げた。

昭和天皇が「震災後、後藤の都市計画が実行されていれば」とコメントした話が知られているために、「後藤の震災復興計画はほとんど机上のプランで終わった」とイメージされがちだが、それは誤解であり、都内各地の中規模公園、鉄骨橋梁、下町にある大半の主要幹線道や区画は震災復興で作り上げられた。それまで、東京は路地ばかりで幹線道も江戸時代の幅員しかなかった。後藤による復興計画によって初めて「江戸」という都市の骨格が、我々の現在見る「東京」になった。また、震災復興を通して都市計画の実務ノウハウや人材も整った。

関東大震災復興で取り残された京島や高円寺などについて「防災上危険」と著者は言うけど、昔の江戸情緒を感じられていい気もするんだがなあ……それはともかく、「3.11復興に後藤の知恵を」と思う読み手の期待に応える中身も軸もしっかりした評伝。
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