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後期高齢者医療制度―高齢者からはじまる社会保障の崩壊 (平凡社新書)
 
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後期高齢者医療制度―高齢者からはじまる社会保障の崩壊 (平凡社新書) [新書]

伊藤 周平
5つ星のうち 3.9  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

二〇〇八年四月からはじまった後期高齢者医療制度。スタートから大きな混乱をもたらしたが、何よりも批判の的となっているのがその内容だ。保険料負担は増える一方、弱者切り捨ての医療の制限が行われつつある。そしてこの制度は現役世代にも決して無関係ではない。世界でも類を見ない制度の本質を明らかにし、医療・社会保障制度の課題を展望する。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

伊藤 周平
1960年山口県生まれ。鹿児島大学法科大学院教授。労働省(現厚生労働省)、社会保障研究所(現国立社会保障・人口問題研究所)を経て、東京大学大学院修了。全国の法科大学院でも珍しい社会保障法専攻の専任教員。介護保険法をはじめ日本の社会保障に関する具体的な法研究にとりくみ、政策や社会保障に強い法律家の育成に力をいれている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 新書: 254ページ
  • 出版社: 平凡社 (2008/10)
  • ISBN-10: 4582854370
  • ISBN-13: 978-4582854374
  • 発売日: 2008/10
  • 商品の寸法: 17 x 10.6 x 1 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.9  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By mocky
形式:新書
後期高齢者医療保険制度を制度制定の始まりから説明し、介護保険制度を徹底的に批判する内容です。

療養型病床群の廃止には、反対で、数値を出しつつ、ひたすら非難しています。この辺りの廃止への反対を総合的に知りたい場合は、参考にしてみたらよいかと思います。ただ、あくまでも、療養型病床群のベッド数だけを問題にしており、多床室(8人→6人→4人)の入院人数を問題にしていないのは、高齢者の入院時の個室化を認めない、安直で病院寄りの反対意見のようにも思われます。個室でなく、多床室の方が、病院側の儲けが多いので、その本当の理由は伏せて、他のデータを用いて、反対するというものです。

一応は、現役世代と高齢者世代の世代間対立を防止しようといっていますが、基本は、高齢者の医療費の無料化と、介護サービスの無料化が大前提で、高齢者の保険料負担の無料化が最終的な目標なので、ではどうやって、その負担を出すのかというと、国がとにかく、金を出せというのが、その答えです。

この本は、後期高齢者医療保険という社会保険についての説明ですから、負担をどうやって支出させるのか、というところは、かなり曖昧で、結局は税金で行うというものです。著者によれば、健康保険料で負担させると、後期高齢者医療保険の支援金という名目で、負担が要求されるので、現役世代の反発を煽る可能性があると。そのため、それを止めて、税金で負担すれば、現役世代の反発は起きない、というもののようです。

結局は、法人税と所得税の負担率を上げ、消費税を贅沢品のみに負担を上げて、対応せよということになりますから、現役世代の反発に合わないように、税金での負担を現役世代に求めるという姑息な方法をとるように求めています。

どうも、現役世代の反発を恐れながらも、どうやって現役世代から、高齢者の医療費や介護費用を納めてもらうか、というところに主眼がおかれています。

現役世代への過度な負担を求めるというのが、この著者の考え方のようです。
このレビューは参考になりましたか?
6 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:新書
 この4月から導入された後期高齢者医療制度について制度の仕組み、導入の経緯等
詳しく書かれた本である。

 この高齢者医療制度を含め、医療制度改革自体の内容が難解であり、私自身もどこまで
理解できたのか正直怪しい部分もあるが、制度の理解を深めるうえで有用な書である。
 一方で、導入に至るまでに何年もかけ、この程度の制度しかできないのは、結局健康保険、
医師会、財務省、厚生族等との利害調整や官僚の限界なのかとも感じた。

 いろいろ制度について批判的に書かれている点については、本当に尤もだとは思う
けれども、財源不足のなかどのようしていけば良いのかについて法人税や所得税の
引き上げだけで対応するといったところが、この不況下で現実的かどうか。
 また、問題の多かった老人保健制度へ緊急避難的とはいえ、もう一度戻すことにも
抵抗を感じ、その点を減点とした。
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10 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 21世紀のケインジアン トップ500レビュアー
形式:新書
75歳で加入者を線引きして健康保険や国民健康保険から切り離し、低所得者からも強引に保険料を徴収する「後期高齢者医療制度」は、国民みんなで支えあう社会保険にはなじまないのではないかと言うのが本書を読んだ感想だ。

 この制度は、小泉政権下、高齢化→医療費の増大→保険財政の危機→高齢者の負担増という単純な発想の下、「医療費の抑制」を「目的」として、ひねりだされたものだということがよくわかる。

 しばしば「現役世代VS高齢者」の対立図式で煽る人もいるが、制度の発足後、現役世代の負担は逆に増えている。たとえば西濃運輸健康保険組合は、負担金の増大で解散。中小企業向けの政府管掌健康保険に移ってしまった。一方、この制度で低所得層が苦しむのとは裏腹に、国の公益法人の理事といった「天下り」の高齢高所得者の負担は軽くなっている。

 本書は、そのような不公平でアンバランスな制度を丁寧に読み解いた好著である。しくみの根拠法「高齢者の医療の確保に関する法律」(高齢者医療法)が成立するまでのいいかげんさ、低所得者ほど重い負担、将来に回るツケ、著者の代案などが記されている。

 現役世代には、是非、読んでもらいたい本だ。文章がやや固めで、導入部分の制度解説は読み進めるのに少々骨が折れる。しかし、後期高齢者医療に象徴される「医療費の抑制」方針が、いかに医療崩壊を招いているかを知るうえでも、格好の公著である。
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