後期高齢者医療保険制度を制度制定の始まりから説明し、介護保険制度を徹底的に批判する内容です。
療養型病床群の廃止には、反対で、数値を出しつつ、ひたすら非難しています。この辺りの廃止への反対を総合的に知りたい場合は、参考にしてみたらよいかと思います。ただ、あくまでも、療養型病床群のベッド数だけを問題にしており、多床室(8人→6人→4人)の入院人数を問題にしていないのは、高齢者の入院時の個室化を認めない、安直で病院寄りの反対意見のようにも思われます。個室でなく、多床室の方が、病院側の儲けが多いので、その本当の理由は伏せて、他のデータを用いて、反対するというものです。
一応は、現役世代と高齢者世代の世代間対立を防止しようといっていますが、基本は、高齢者の医療費の無料化と、介護サービスの無料化が大前提で、高齢者の保険料負担の無料化が最終的な目標なので、ではどうやって、その負担を出すのかというと、国がとにかく、金を出せというのが、その答えです。
この本は、後期高齢者医療保険という社会保険についての説明ですから、負担をどうやって支出させるのか、というところは、かなり曖昧で、結局は税金で行うというものです。著者によれば、健康保険料で負担させると、後期高齢者医療保険の支援金という名目で、負担が要求されるので、現役世代の反発を煽る可能性があると。そのため、それを止めて、税金で負担すれば、現役世代の反発は起きない、というもののようです。
結局は、法人税と所得税の負担率を上げ、消費税を贅沢品のみに負担を上げて、対応せよということになりますから、現役世代の反発に合わないように、税金での負担を現役世代に求めるという姑息な方法をとるように求めています。
どうも、現役世代の反発を恐れながらも、どうやって現役世代から、高齢者の医療費や介護費用を納めてもらうか、というところに主眼がおかれています。
現役世代への過度な負担を求めるというのが、この著者の考え方のようです。