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27 人中、27人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
哀しさから生まれるユーモアを風通しの良い文章で描いた作品,
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レビュー対象商品: 後宮小説 (新潮文庫) (文庫)
文庫本解説に、本作品がファンタジーノベル賞をとった際の選考委員・高橋源一郎氏の選評が引用されていますが、全くその通りだと思います。……………………… 『後宮小説』にあって他の作品にないもの、それは淡い哀しみを帯びた「軽さ」である。 この小説の「軽さ」は軽薄短小の「軽さ」ではなく、重力から逃れてあることの「軽さ」だ。 『後宮小説』の世界では、登場人物、そこで起こる重要なあるいはどうでもいいような事件の数々も、それらを包み込んで流れる歴史も、そしてそのすべてを語る作者の声も、その一切が重力のくびきを逃れて浮遊している。この「軽さ」は内閉的な夢を語ることによってではなく、ついに重力から逃れることのできない我々というやっかいな存在の運命を直視することによってしか得られることのできない宝庫なのだ。われわれはこの稀な宝物のことを「ファンタジー」と呼んできたのだ。 ………………………… 方々で「面白すぎ!」という噂を聞いましたが、実際読んでみると想像を遥かに超えて楽しむことができました。もちろん先を読ませる力=中毒性も高いのですが、なにより読後の爽快さと余韻の深さという普通どちらかといえば相反する二つの感覚を心地よく同時に喚起させてくれます。 「人と人との葛藤」だけではなく「人と歴史または運命との葛藤」にまで目が届いて初めて生まれてくる本当のユーモアがこの風通しの良い傑作を作り上げたのだと思います。そしてこのスタイルは『陋巷に在り』という大作に受け継がれていきます。
33 人中、32人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
大真面目に書かれた面白すぎるホラ話,
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レビュー対象商品: 後宮小説 (新潮文庫) (文庫)
『腹上死であった』という有名?な書き出しで始まる面白すぎるホラ話。中国史に疎い私は、はじめてこの小説を読んだとき、ある程度は事実に基づいた作品なのだと思ってしまった。大真面目かつ哲学的に語られる下ネタ、主人公の少女銀河や彼女を取り囲む登場人物の魅力やおかしさ、そして、自分で作ったホラ話を作品の中で解説する作者、それらが、不要な句点が少なく格調高い(あるいは漢文的な?)が、どこかとぼけた文体で描かれている。落語の「下げ」みたいなラストもいい。そして、著者の文庫本の楽しみは下手なエッセイより面白いあとがきである。 中国の歴史というか思想を下敷きにしながら、ここまで面白い小説を“創作”できる作家はそういないのではないか。そして、その面白さは、前述の特長を持つ著者の文体によって倍増するのである。 著者の代表作といえる「陋巷に在り」も読んだら止まらないが、全13巻と長いので、最初に手に取る作品としては、これ以降の作品にも見られる彼の魅力が詰まっている、このデビュー作「後宮小説」が良いと思う。
26 人中、25人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
意見は真っ二つ。私は面白いと思う,
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レビュー対象商品: 後宮小説 (新潮文庫) (文庫)
まず、アニメ「雲のように風のように」を見た人が、これを見たら驚くのでは?とおもうくらい、アニメと原作は違います。もちろんキャラの性格や台詞回しも。中国に似た架空の国を、面白おかしく歴史家として書く視点は、とても面白いのではとおもう。そのために、薀蓄が多い作品にはなっているが「それは歴史を語るエッセイスト」の視点であると思うと、書き手としては、変わっていて、その作品の個性を評価できる筈。アニメを評価するか、原作を評価するか、両方見た人間としては、両方星5つで評価したいとおもいます。
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