ユーラシア大陸の東端の日本列島に農耕文化が成立し、小規模国家群からゆるやかなヤマト国家が出現したことは前巻までで見てきた。
本巻では、日本という「国家」「民族」を自明のものとせず、その成立をみていく。年号による時間的支配、戸籍による管理、文字の普及など、「近代化」「国民国家化」が推し進められていく過程をわかりやすく、図表や写真を多用しながら説いていく。大陸・半島流の制度を導入しながらも確実に独自のアイデンティティが確立していくのだ。
それが万葉集という形で結実する。今日の我々も一種のノスタルジーを感じる日本文化の故郷といえよう。そしてまた、国家制度、衣食住などの社会諸相は本質的に、こんにちの我々と変わらない、血の通った人間的ものであることが了解される。しかし環境破壊の問題もすでに起こっていたことがわかる。歴史は繰り返されるのか、それとも歴史から学んで我々は進歩することができるのだろうか。(歴史を学ぶ一般的な、そしてまた究極的な問題意識であるが)