BLというよりも、読み物として面白かったです。
ヤクザの跡目である主人公が、惨殺された両親の仇打ちと、行方不明の妹を探すため、本来の自分を殺して非情になろうとする。
常に気を張って、唯一近い相手の幼馴染にも弱い所を見せられない晴人ですが、傲慢で謎の男である上妻の前では、ふとした脆さや子供っぽさを見せてしまう。
でもそれだけではなく、一本芯の通った気概と駆け引きをする大人の顔もあって、そんなアンバランスさが上妻の心を開いていく。
この作家さんには珍しいタイプのお話ですね。
もちろん設定的に甘い部分も随所見られるようですが、引っかかってしまうほどではなく。
シリアスな内容なのに、最後が大団円なのが見る人によってはご都合主義っぽく見えるかもしれませんが、自分的には登場人物にやっぱり幸せになって欲しいので、十分満足。
伏線が色々張られていたけれども、無理なく収まっていて読み応えがありました。
なかなかくっつかない主人公二人だけれども、気持ちの推移が十分伝わってくるので、感情移入し易い。
甘いだけの関係ではないところが、お互いに自立した「オトコ」を感じて好感持てました。