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彼岸過迄 (新潮文庫)
 
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彼岸過迄 (新潮文庫) [文庫]

夏目 漱石
5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (17件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

いくつかの短篇を連ねることで一篇の長篇を構成するという漱石年来の方法を具体化した作.その中心をなすのは須永と千代子の物語だが,ライヴァルの高木に対する須永の嫉妬を漱石は比類ない深さにまで掘り下げることに成功している.この激しい情念こそは漱石文学にとっての新しい課題であった. (解説・注 石崎 等) --このテキストは、 文庫 版に関連付けられています。

内容(「BOOK」データベースより)

いくつかの短篇を連ねることで一篇の長篇を構成するという漱石年来の方法を具体化した作品。中心をなすのは須永と千代子の物語だが、ライヴァルの高木に対する須永の嫉妬の情念を漱石は比類ない深さにまで掘り下げることに成功している。 --このテキストは、 文庫 版に関連付けられています。

登録情報

  • 文庫: 307ページ
  • 出版社: 新潮社; 改版 (1952/01)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4101010110
  • ISBN-13: 978-4101010113
  • 発売日: 1952/01
  • 商品の寸法: 15.2 x 10.6 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (17件のカスタマーレビュー)
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By それから トップ1000レビュアー
形式:文庫
この小説には、冒頭に「『彼岸過迄』について」という著者による緒言があり、いわゆる<修善寺の大患>による中断・再開の事情の説明と「彼岸過迄」執筆に対する著者の新たな抱負が述べられている。確かにこの小説には新聞小説として読者の期待に沿うよう入念でサービス精神旺盛な工夫と新たな意気込みが明らかである。
一見すると、大学は卒業したが生業を模索中で好奇心の強い田川啓太郎を主人公とするビルドゥンクスロマンのように受け取れるが、彼は全体のストーリーを繋ぐ役回りにしか過ぎないことはやがて明らかになる。

啓太郎が田口に指示されて、ある男を追跡調査するくだりは、さながら探偵小説のようである。そして須永と松本の長い独白、それぞれは独立した短編ともいえるが、啓太郎を軸に全体が繋がっている。きっと新聞の読者は、次が読みたくて新聞が着くのを毎日楽しみにしていたことだろう。実に巧みな小説の構成と描写である。
自らを高等遊民として自若として暮らす松本、そして近代知識人であるが故に須永が経験する“嫉妬”という複雑な心理の描写。近代という呪詛を背負い込んだ明治の青春の姿が描かれる。石崎等氏の注と解説はわかりやすく的確である。
このレビューは参考になりましたか?
6 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
主人公は誰? 2009/1/27
形式:文庫
物語の核となっているのは市蔵と千代子の関係であり、まさにそこにこそ漱石の本領が発揮されている。複雑な心の奥底を覗きこむような描写。恐ろしくうまい文章、台詞。「貴方は卑怯だ」と千代子が云う。自分自身を断罪するような漱石の心の軋みが真に迫ってくる。
しかし、残念なのは作品全体として見た時のバランスである。敬太郎の物語として書き出されて、敬太郎の物語として締めくくられる。敬太郎の目を通して語られる部分は軽妙な随筆調であり、その頁数が多いだけに逆に市蔵の独白部分の重量感と迫真性がとってつけたようになってしまう。複数の人間に物語を語らせるという構成は漱石の他の作品でも見られるが、この「彼岸過迄」では完成度の点で不満が残る。
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By ヒデボン VINE™ メンバー
形式:文庫
 「彼岸過迄」「行人」「こころ」と続く後期三部作の第一作ということで、漱石ファンとしてはそれなりの期待を煽る作品ではある。だが、少々退屈な展開でまだるっこしい個所も無きにしも非ずということだが、そこはそれ、漱石モノなので、面白いことには違いない。

 男と女の心理作戦が繰り広げられる。男の面子とこれに対抗するをんなの愛嬌、この取り合わせが面白い。しかし、あまり取り上げられないが、個人的には小間使いの存在が何とも言えない気がする。小間使いの作は漱石作品の中に出てくる小間使いのなかでもとりわけ可愛く描かれている様な気がする。そこには、市蔵の実母の存在がある。
 
 ヴァガボンド(vagabonndo:漂泊者)とかルナパーク(Lunar park:夜間の遊び場)といった横文字カタカナ言葉が出てくるのも面白い。さらには漱石お得意の「高等遊民」「高等淫売」なる当時のハイカラ人物も・・・・・。
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