本作と「ノーボーイズ・ノークライ」は同じ系譜の日韓合作だ。ミシガンベンチャーキャピタルが資金を出して、日本主導+韓国人監督で製作というパターンも同じだ。「ノーボーイズ〜」は妻夫木や徳永えりの好演もあって、良く出来た作品だったが、本作はかなり厳しい(笑)。脚本が「エクスクロス」の大石哲也で、かつヴァンパイアものという初期情報だけで怪しさ満点だったが、観てみたらやっぱり同じようなホンだった(笑)。クランクインが2008年秋で、公開が2010年1月というのも少し間が空きすぎの感があるが、編集に戸惑ったか、ファンドの資金調達が上手くいかなかったかのいずれかに原因があるのでは。俳優陣は豪華で、渡辺大・水川あさみ・石黒英雄・山本耕史あたりは役者としての「格」も感じさせてくれる。また瀧本美織はこの当時から「演技上手いなあ」と思っていたら、2010年秋のNHK・朝ドラヒロインになるという。それだけの布陣を抱えていながら本作がダメなのは、とにかく全体に漂う「ノー緊迫感」にある。高校の仲間が、よくわからない島に出掛ける設定がまずおかしい。原作は未読だが、明らかにヘンなヴァンパイア軍団を見た後で、かよわいユキちゃんまで船に乗る、または乗せる方もどうかしている。水川演じる怜は、ハナから若者を彼岸島へ連れてくる役割なので、大人数は歓迎だ。でもやはりここは兄を助ける弟と弓削演じるケンだけでよかったし、またそれでも十分面白い話になったと思う。ゆえに島での格闘は「お化け屋敷を逃げ回る学生」のような絵になってしまい、観客も乗り切れないかったのでは。加えてせっかくの合作なので「ノーボ−イズ〜」のように韓国人俳優も多く出演させるホンにして欲しかったなあ。特典ディスクはDVDで、メイキングやヘンにバラエティ入った舞台挨拶集、釜山国際映画祭の様子などが収録されている。ちょっと残念な出来で、星は2つです。