セクシーという言葉も時代とともにずいぶん変化してきたと感じる。ジュリー・ロンドンの時代は50年代半ばから60年代という古きよき時代。大人の粋な恋が時代を支配していた。子どもっぽいものはおとといおいでと言う感じで、センスに満ちたセクシーさこそ求められていた。彼女の端正で肉感的な容姿に加えハスキーなセクシーボイスは往時の男を惑わせ虜にしたに違いない。少し先輩のアニタ・オデイ、ジュリー・クリスティー、クリス・コナー、ヘレン・メリルとハスキーな白人女性ボーカルの黄金時代の中で、ジャスフィーリングとポップス的親しみやすさを併せ持ったロンドンの存在は次の時代にもつながる多くの可能性をはらんでいたのではないだろうか。有名なクライ・ミー・ア・リヴァーを初め アイ・シュッド・ケア 、ローラ 、風と共に去りぬなどが印象的だ。名手バーニー・ケッセルのギターが粋なセンスを盛りたて、いやがおうにもおしゃれなアルバムに仕上げている。