良質な百合漫画を提供する事でお馴染みな、袴田めら先生の新作です。
表紙で上になってる(後ろ姿の方)のが紺野で、下になっている方が氷川です。
紺野は社交的で友達も多く、逆に氷川はいつも無表情で一人。
紺野と氷川がぶつかった際、紺野が間違って氷川のノートを持っていってしまうところから、話は始まります。
そのノートには、普段の氷川からは想像できないような官能的な物語が書かれており、それを読んで氷川に強い興味を持った紺野が、皆にばらされたくなかったら続きを読ませろと強要します。
渋々言う事を聞く事になった氷川。
紺野は二人で秘密を共有する事、氷川が言われた通りに話の続きを持ってくる事に、優越感のようなものを感じますが、実は氷川が書く物語は、ある先生(もちろん女性)の事を想って書かれていると知り、氷川の一途な世界を滅茶苦茶にしたいと思うようになります。
それは後に、氷川への恋故にと気付くのですが。
話の途中で上手く氷川の書く物語がカットインされていて、不思議な世界観を醸し出しています。
そこには少し卑猥な表現がありますが、いやらしさは感じずに、セリフのほとんど無い氷川の一つの感情表現とも取れます。
紆余曲折あって(端折り過ぎですが)紺野は不器用ながら氷川に気持ちを伝えます。
氷川の拒絶ととれる反応で、これまでの関係は終わったと紺野は思いますが、ここも氷川が言葉で表現しないので難しいところですが、二人はある形で最終的に結ばれます。
そして二人の関係はこれからも続くのでした。
しかし氷川の本当の気持ちはどこにあるのでしょう?
そして紺野の想いは成就したと言って良いのか?
どうしてもこの1巻だけでは足りません。
二人のこれからをとても読みたくなります。
それだけこの話に、キャラの持つ切なさに魅了されました。
袴田先生はたくさんの百合作品を描かれていますが、その中でも屈指の名作であると個人的には思います。
何とかして、続きを発表して欲しいところです。
ただこういう終わり方もある意味良しとし、受け入れなければならないのかもしれませんね。
正直な話、『最後の制服』以来のインパクトのある作品だと、私は評価します。
文句があるとすれば、1巻完結なところ。
内容には充分満足しました。
百合好きな方に強くお勧めします!!