ゴダールの映画なのだけれど、難しく考えずに、60年代パリに住む貧しい主婦たちを撮った映画だと思って見ればいいのかもしれない。当時のファッションや住宅事情、政治状況なんかもうかがい知ることができるわけで、資料的な価値もある。
パリの工事現場やベトナム空爆、そして女性たちの住む集合住宅、そして売春行為……これらがすべて関連しているのだよ、と非常に左翼的な立場にいたゴダールは教えてくれるが、その立場は決して観念的ではなく、とても現実的なものだ。もちろん、このような社会病理を個人の視点から描くという立場は、今ではあたりまえのもにになっていて、目新しいものではないかもしれない。しかし当時の左翼からすれば、衝撃的だったに違いないし、ゴダールはやはり頭がいいとも思う。しょっちゅう挿入される哲学的な話はゴダール映画にはつきものと思って、軽く見ておきましょう。
ともかく、当時の主婦たちの生活ぶりが興味深く、いまのパリについてもいろいろと想像させられる。女優たちもみな魅力的なのも楽しい。
DVDの画質に問題はないが、パソコンで再生すると音がぶつぎりなって聞こえてくる。再生環境には注意する必要があるかもしれない。