扉は閉ざされたまま (ノン・ノベル)君の望む死に方 (ノン・ノベル)に続く<碓氷優佳>シリーズ、第三作。
ある思惑を胸に旧知の集まりに参加する犯人(女性)。そこにはかつての同僚(女性)もいた。
集まりの夜、殺人が起きる。殺人の瞬間は(倒叙モノなので)きっちり書かれている。
翌日、被害者が発見された時、彼女は手にカフスを握っていた。
疑われるのはカフスの持ち主である男性。皆の疑いの目は彼に注がれる。
犯人は早く警察に介入して欲しいのに、本当に彼が犯人なのかどうか・の議論が始まってしまう。
たまたまその場に参加していた<碓氷優佳>は、冷静な意見をはさみ、時に議論を誘導する。
そして、警察が介入する10分前、犯人と優佳の対話による対決が始まる・・・。
広義の「閉ざされた山荘」、「共感するのが難しい動機」「警察未介入」、「果てしない議論」、と
石持作品のエッセンスは詰まっている。
そこに<碓氷優佳>の、どこか感情の欠けているような「鶴の一声」が突き刺さり、犯人は追いつめられていく。
大まかなストーリー展開は想像がつくので、どんな矛盾点を彼女が突いてくるのか・に興味を持ちながら読み進めたが・・・
この矛盾点はアリなのか?
作中で優佳は「男性にはピンと来ないかもしれません」と言った。女性ならみなピンとくるのだろうか?
女性読者の意見が聞いてみたい。
以前は三部作と公言されていたシリーズであるが、掉尾を飾るような話の内容ではない。
次もあるのか?
不安と期待をない交ぜにしながら待つことにする。
あと、最近の石持作品に多い<間章>や<「男女」の描写>は今作ではない。過去二作の読者で「あれがあるかが心配」
な方もいるかもしれないので書き添えておく。