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彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)
 
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彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫) [文庫]

沼田 まほかる
5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (47件のカスタマーレビュー)
価格: ¥ 720 通常配送無料 詳細
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

八年前に別れた黒崎を忘れられない十和子は、淋しさから十五歳上の男・陣治と暮らし始める。下品で、貧相で、地位もお金もない陣治。彼を激しく嫌悪しながらも離れられない十和子。そんな二人の暮らしを刑事の訪問が脅かす。「黒崎が行方不明だ」と知らされた十和子は、陣治が黒崎を殺したのではないかと疑い始めるが…。衝撃の長編ミステリ。

内容(「MARC」データベースより)

十和子は淋しさから、飲み会で出会ったうだつの上がらない男・陣冶と関係を持ち、一緒に暮らし始める。ある日、昔の男から贈られたピアスを陣冶の部屋で発見した彼女は…。ダメな大人が繰り広げるピュアな純愛サスペンス。 --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。

登録情報

  • 文庫: 389ページ
  • 出版社: 幻冬舎 (2009/10)
  • ISBN-10: 4344413784
  • ISBN-13: 978-4344413788
  • 発売日: 2009/10
  • 商品の寸法: 15.4 x 10.2 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (47件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 18,131位 (本のベストセラーを見る)
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最も参考になったカスタマーレビュー
28 人中、25人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
ここ最近、色々ジャンルを広げようと、
これまで読んだことのない作家の作品を読んでいるのですが、
久々に痺れる本、他の作品も読んでみたいと思わせる作家に出会えた感じです。

他の方も書かれていますが、前半は、読んでいてかなりしんどい。
寝る前なんかは読まない方がいいんじゃないかと思いますが、
忘れられない男=黒崎を彷彿とさせる水島という優男が登場して以降は、
過去と現実を行き来しながらストーリーがどんどん展開していき、
読むのをやめられなくなりました。
そして、最後、ラスト1ページ、涙がこぼれてしまいました。
泣き本にはこれまでも何冊か出会っていますが、
ラスト1ページだけで涙が出て止まらない本は初めてでした。
苦しく切ない、本当に言葉では表現できない感情が湧きあがり、
何とも言えない読後感が長い間後を引きます。
このレビューは参考になりましたか?
41 人中、36人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By pampino
形式:文庫
一言で言えば、99%不愉快で、生理的に不快な、けれど間違いなく最高傑作。

働くこともせず、ただ手ひどくだまされた男の影を引きずりながら、
自分が蔑むしみったれた醜悪な年上の男の世話になって一日一日、
ただ惰性で生を浪費する主人公の十和子。
15歳年上の同居人陣治は、かつて一流企業に勤めた栄光の残滓にすがりながらも、
今は肉体労働をしながらその日暮らしで十和子を食わせている。

十和子の独白で綴られる前半は正直、かなりつらい。
基本的に現在形で吐露される十和子の、陣治への嫌悪感に満ちた呪詛はおぞましい。
陣治を傷つけたい。この男から逃れたい。
だらだらと心の中で呪い、怒鳴る十和子は醜い女の感情のわだかまりそのものだ。

うるさい、黙れ、お前が死ね。
そう心の中で思いながらも、この救いようのない女の独白から読者は逃れられない。

昔の男・黒崎のような優男の水島にだまされ、また身体と金をむしり取られながら、
十和子はいつしか、陣治が黒崎を殺し、そうして今度は嫉妬から、
水島を狙っているのではないかという妄想にとらわれる。

しだいに壊れてゆく十和子。
陣治を殺すしかない、自分の幸せのために。
そう決意してその前にもう一度水島に会う十和子。
しかし実際に水島に会った十和子のとった行動とは・・

最後のページを閉じて、本当に手がふるえた。
解説を読み、またもう一度、ページをめくる手が止まらない。

苦しい。気持ち悪い。息が出来ない。
本にもし温度があるのならこの本は、間違いなく灼熱だ。
喉からぐいぐい、熱い棒を押し込まれて涙が止まらなくなって、
ようやく解放されたような脱力感。

気持ちよい読後感とはほど遠い。
初めてだ。本で悪酔できるなんて。
読み終わって自分がちゃんと現実に帰ってこられた、それに感謝した。

覚悟を持って読むべし。
そして読んだら絶対に、最後まで読め。
最後の最後に来る衝撃は、超・ド級の切なさだ。
このレビューは参考になりましたか?
25 人中、22人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
十和子は同居人の陣冶が虫唾が走るほど嫌いだ。黒い顔も中途半端な天然パーマもだらしのない食べ方も小さい陰嚢も白髪交じりの陰毛も全てが気色悪い男、その上他人から蔑まれていることに気付かず小心者のくせにデカいことばかり吠える、それが陣治だ。十和子はそんな陣治にあらん限りの悪態と罵声を浴びせる。陣治は卑屈な笑みを浮かべ十和子の世話をする。十和子はなにもしない。レンタルしてきた映画を部屋で転がって観ているだけの日々。こちらも壊れかけの駄目人間だ。ヘドが出そうなほどどうしようもない中年カップルの話が延々と続く。
この先、この陰々滅々な物語のラストが、あんなにも苦しいような純情と愛情とを鮮やかに描ききることになるなんてとても想像できなかった。まったく脱帽です。
共感を覚えるのは、十和子は駄目な方を自ら選んで生きていること。なげやりのようだったり運がなかったように見えても実はやじろべえのように不安定ながら自分自身で負のバランスを保っているのだと思う。

この小説は2006年に出版されたものですが、すでに絶版になってました。文庫本も出てません。出版社も書店もこういう良書に力をいれて多くの人に読まれるようにしてもらいたいものです。
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