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彼もまた神の愛でし子か―洲之内徹の生涯 (ウェッジ文庫)
 
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彼もまた神の愛でし子か―洲之内徹の生涯 (ウェッジ文庫) [文庫]

大原 富枝
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

文学的香気あふれる美術エッセイを小林秀雄に激賞された美術評論家・洲之内徹。学生時代に左翼運動で検挙され、戦時中は中国で諜報活動に従事する。戦後、小説に手を染め、芥川賞候補になったが、美術評論家に転じて以降、雑誌に発表した「気まぐれ美術館」シリーズが鋭い批評眼と独特の文体で多くの読者を惹きつけた。洲之内徹の旧友でもある小説家・大原富枝が哀惜をこめて描いた入魂の評伝―。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

大原 富枝
小説家。1912(大正元)年、高知県生れ。60年、『婉という女』で、第14回毎日出版文化賞、第13回野間文芸賞を受賞。70年、『於雪土佐―篠家の崩壊』で第9回女流文学賞を受賞。90年、勲三等瑞宝章を受章、98年に芸術院賞・恩賜賞受賞。芸術院会員となる。2000年、没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 文庫: 242ページ
  • 出版社: ウェッジ (2008/8/20)
  • ISBN-10: 4863100272
  • ISBN-13: 978-4863100275
  • 発売日: 2008/8/20
  • 商品の寸法: 15.2 x 10.6 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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修羅の中で 2010/4/12
By
形式:文庫
 洲之内徹、世間並みの言い方では波瀾万丈の人生、東京美術学校建築科中退、左翼運動で検挙、大陸での諜報活動、戦後画廊店主となり、埋もれた画家の発掘に努めるも、連載中の「芸術新潮」誌上の美術随想で人妻との灼熱の恋を赤裸々に告白、晩年は別の女の人との間にゲンロクマメと呼ぶ一子をもうけ、終わる。作者は洲之内をエゴイストだという。その通りだと思う。女として、男の我儘とだらしなさへの温かい視線を感じる一書である。
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10 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
洲之内徹の評伝として書名が高かったが、単行本が手に入りにくくなっていたものの文庫化である。『気まぐれ美術館』シリーズの著者としてのイメージをこの本に探ろうとして読むと、戸惑うかもしれない。ここに描かれているのは洲之内の陰の部分が多いからだ。しかも、ちょっと気が滅入るような話が書かれている。戦時下の行動を中心に非情で女好きで自分勝手で…、というイメージが続く。だが、それでは大原富枝は人間洲之内徹をどうとらえていたかというと、その紛れもない個性を認め、愛惜の念を抱いているのだ。洲之内と関わった女性たちをめぐる叙述にも客観的ながら、同性としての思いやりがにじみ出ている。

違う視点から洲之内について述べた関川夏央の解説も良い。美を見る眼の背後に、いかなる人間ドラマがあり、それがいかにしてたぐいまれな美術エッセイへと昇華されていったのか。それを考えるためには、やはり必読書だと言える。
このレビューは参考になりましたか?
1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
読んで得することがあまりなかったという印象。あったとしても、それは洲の内徹の私生活を覗いたという、後ろめたい気持ちの上での「お得」感。むしろ、知らないで済ませたならその方が良かったというのが、率直な感想。
洲の内のエッセーを、私小説としてしか読めなかった大原は不幸ではないか。関川夏央が巻末に書いていたが、「文芸至上主義」「小説至上主義」の立場を、私もとりたくはない。洲の内が佐藤哲三に関して(いや、佐藤哲三の未亡人に対してだったかもしれないが)、繰り返し、イデオロギーによって描かれた(というような主旨)作品はよくないということを言っていたと思うが、それは大原にも当てはまるように思う。
しかし、これを読んだおかげで、私は「セザンヌの塗り残し」以下の本三冊を買ってしまったのであった。
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