人事賃金制度についての本は、いわゆる成果主義を否定する本、肯定する本など数多くあるが、本当の意味でしっかり理論を踏まえたうえで、実務に役立つ本は少ない。そういう意味でこの本は、日本を代表する経済団体の専門組織が、実際の企業の担当者の声を参考に書き下ろしただけあって、非常に内容が論理的かつ実務的で、企業の人事担当者にとって自社の人事賃金制度を考える上で、大いに参考になるのではないかと思う。特に、一般事務職や技能職などは職務給と習熟給の組み合わせ、管理職・研究職などは役割給と業績給の組み合わせなど、職務の成果の出方の違いによって、望ましい賃金制度が変わってくるといった点は、まさに本当の成果主義の姿ではないかと思う。