「およそ役人たらんとする者は平素より縄張り根性の涵養に努むることを要す」
これは『役人学三則』の第2条と3条である。反語を使うことによって、官僚を痛烈に皮肉ったこのエッセイが書かれたのは1931年のこと。近代日本を代表する法学者のエッセイが、岩波現代文庫の創刊によって絶好のタイミングで再び日の目を見ることになった。
最近の官僚の不祥事やその後始末を見ていると、当時と全く状況は変わっていない。「いかに相手のいうことが条理にかなっていると思っても、容易にその前に頭を下げるようではいけない。条理などは無視して法規一点張りで相手をねじふせなくてはいけない」という部分は、一連の警察不祥事で見られた対応そのものだ。役人というものは、時代がどれだけ変化しても役人であり続けるのだということが、今さらながらよくわかる。
(日経ビジネス2000/3/20号 Copyright日経BP社.All rights reserved.)
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