内容紹介
遅れてきた不安? 「影響の不安」というユニークなキイ概念によって西洋文学史をみごとに読み直した巨匠ブルームの古典的傑作。難解をもって鳴る原文を平易な日本語にうつし、懇切丁寧な訳注を付した、世界に類をみない研究書かつ翻訳書。
内容(「BOOK」データベースより)
「影響の不安」というユニークな鍵概念によって文学史を鮮やかに読み直した名著を、懇切丁寧な訳註と解説を付して日本の読者に贈る。
内容(「MARC」データベースより)
強い詩人は、先行する強い詩人と死ぬまで執拗に格闘し続ける-。18世紀啓蒙主義以降から現代までの約3世紀の詩の歴史を、遅れてきた詩人たちの「影響の不安」というユニークな鍵概念によって、「修正の歴史」として見直す。
出版社からのコメント
◆日本人が持つ、西洋に対する「影響の不安」とは?◆ 「影響の不安」(遅れてきたものが先行者にいだく不安)というユニークな概念によって、西洋文学史を鮮やかに読み直したブルームの古典的名著です。西洋では、シェイクスピアの時代には、先行する作品を自由に換骨奪胎しても特に「不安」を感じることがなかったのに、ロマン派以降そうはいかなくなってきたそうですが、その間の事情をミルトン以降のロマン派の詩を題材に綿密に分析したものです。このような立派な仕事がいまの日本人に関心を持たれるのか? この危惧に対して小谷野敦氏は、日本近代文学そのものが西洋文学に対する巨大な「影響の不安」であるからだ、と喝破しています。ていねいな訳註を付して、平易な日本語に訳された世界に類のない『影響の不安』研究です。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
ブルーム,ハロルド
1930年ニューヨーク生まれ。現在、イェール大学、ニューヨーク大学教授
小谷野 敦
1962年、茨城県生まれ。1987年、東京大学文学部(英米文学)卒業。1997年、同大学院比較文学比較文化博士課程修了。学術博士(超域文化科学)。1994年より大阪大学言語文化部講師・助教授を経て、現在、国際日本文化研究センター客員助教授、東京大学、明治大非常勤講師。2002年、『聖母のいない国』(青土社)でサントリー学芸賞を受賞
アルヴィ宮本 なほ子
1961年、東京都生まれ。東京大学大学院英文学専攻修了。トロント大学大学院で博士号(英文学)取得。千葉大学助教授を経て、現在、東京大学総合文化研究科助教授。専門、イギリス・ロマン主義の詩(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1930年ニューヨーク生まれ。現在、イェール大学、ニューヨーク大学教授
小谷野 敦
1962年、茨城県生まれ。1987年、東京大学文学部(英米文学)卒業。1997年、同大学院比較文学比較文化博士課程修了。学術博士(超域文化科学)。1994年より大阪大学言語文化部講師・助教授を経て、現在、国際日本文化研究センター客員助教授、東京大学、明治大非常勤講師。2002年、『聖母のいない国』(青土社)でサントリー学芸賞を受賞
アルヴィ宮本 なほ子
1961年、東京都生まれ。東京大学大学院英文学専攻修了。トロント大学大学院で博士号(英文学)取得。千葉大学助教授を経て、現在、東京大学総合文化研究科助教授。専門、イギリス・ロマン主義の詩(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
抜粋
私が関心を持っているのは、強い詩人、重要な人物だけである。彼らは,先行するや強い詩人たちと、死ぬまで執拗に格闘し続ける。それほど才能のない詩人たちは、偉大な先立ちを理想化する.その一方,有能な想像力を持つ者達は,地力で先行者を押しのけて、自分の居場所を確保する。しかし、割り込むにはそれなりの代価を払わなくてはならない。つまり、自分で勝手に一区画を占有したために、先行者たちに影響を負っているという非常な不安感がもたらされるのだ。なぜなら強い詩人=創造者は、自分が自分を創造することに失敗したなどということを直視したくないからだ。オスカー・ワイルドは、自分がこの影響に不安を乗り越える強さを持っていないために、詩人として失敗したことを知っていたが、同時に、影響というものの暗鬱な真実をも知っていた。(「序論」より)