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影法師 [単行本]

百田 尚樹
5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (31件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容説明

注目作家が意表を衝いた初めての時代小説!『ボックス!』『風の中のマリア』の著者が挑む長編時代小説。身分を越えた親友であった二人の若侍がたどる栄達と没落。草食系の時代に男の生き様を問う意欲作!

内容(「BOOK」データベースより)

光があるから影ができるのか。影があるから光が生まれるのか。ここに、時代小説でなければ、書けない男たちがいる。父の遺骸を前にして泣く自分に「武士の子なら泣くなっ」と怒鳴った幼い少年の姿。作法も知らぬまま、ただ刀を合わせて刎頚の契りを交わした十四の秋。それから―竹馬の友・磯貝彦四郎の不遇の死を知った国家老・名倉彰蔵は、その死の真相を追う。おまえに何が起きた。おまえは何をした。おれに何ができたのか。

登録情報

  • 単行本: 338ページ
  • 出版社: 講談社 (2010/5/21)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4062162245
  • ISBN-13: 978-4062162241
  • 発売日: 2010/5/21
  • 商品の寸法: 19.2 x 13.6 x 2.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.7  レビューをすべて見る (31件のカスタマーレビュー)
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By あららあ VINE™ メンバー
形式:単行本
私も東京のラジオ局「大竹まことゴールデンラジオ」水曜日の冒頭で紹介されたのを聞いて拝読しました。
大竹さんの掻い摘んだ冒頭部分の紹介がとても上手で、父の遺骸を前に幼い勘一の涙を同じ歳の彦四郎が窘(たしな)めるくだりを聴いて、時代劇好きのスイッチが入りました。

この作品は前述の涙と最後にすべてを理解し、大坊潟試干拓跡の丘で号泣する名倉彰蔵と名乗るようになった勘一が、過ぎた歳月と数奇な廻り合わせを感動的に描いていたと思います。

2011年1月に百田尚樹先生が「大竹まことゴールデンラジオ」にゲストとして出演されました。当日アシスタントの山本モナさんは美容院でラストシーンを読んで、潤む目頭を我慢するのに難儀したと仰っていました。百田先生は関西で24年続く「探偵ナイトスクープ」のチーフ構成作家を務められている放送作家でもあり、近年小説家としても活躍されています。

作家としての御矜持は「いかに楽しませるか」であると仰っていました。

そのお仕事の来歴の中で培われてきた多岐に亘る人間の観察眼が、創作の中でも如何なく発揮されているのだと思います。番組で百田先生は、こんなお話を紹介されていました。「探偵ナイトスクープ」は依頼者からの要望で調査報告をする過程を紹介する番組。依頼者が先年亡くなった母親の遺品を整理していたところ、太平洋戦争で南方へ出征した父からの手紙を見つけたそうです。

 経年劣化により手紙の判読が困難となり、亡き父より母へと宛てられた手紙の文面を解読してほしいというものでした。自分が母に宿っていることを知らずに戦死したと思っていた依頼者の方は、番組が手を尽くし解析した手紙の内容を知り驚いたそうです。判読できなかった手紙にはお腹にいるまだ見ぬ子供を案ずる文面が綴られていたそうです。

「身重であるお前」と書かれていたことがわかっただけでなく、判読不能だった最後の4行に辞世の句が書かれていたこともわかったそうです。「酔ふ心 君に訴ふ事ばかり ただに言へない 吾が胸の内」「頼むぞと 親兄姉に求めしが 心引かるる 妊娠の妻」。

 戦死した父は自分が生まれてくることを切に願っていた。番組を通じ父の思いを知りえることが叶ったこと。依頼者も番組に出演されていた方々も目頭が潤んだそうです。

「影法師」を拝読し、百田先生がラジオ出演でお話された「父の手紙」を聴き、人を想う気持は何物にも代えがたい大事なものであること、本書に通ずる何かを感じました。

 先日、本書を読書家である人生の先輩の方にお貸しし読後の感想を伺いました。彼女は「みねの想いが置き去りにされたようで可哀そうだったわね。」と仰っていました。私はこのレビューの中で雑誌連載時終章があったことを知り掲載誌を取り寄せました。それを読んで後「ああ、ちゃんと書いていてくれたのね。」と溜飲が下がったようでした。

単行本ではカットされた終章は小説現代 2010年 04月号 [雑誌]をご覧ください。

勘一、みね、彦四郎それぞれの想い。想いと託す者。「影法師」を読むきっかけを作ってくれた高田純二さん、その語り口で本書にぐっと引きつけてくれた大竹まことさんに感謝します。叶うことならば、朗読CDとして大竹さん語りをやっていたたげたら最高なのですが。

たくさんのみなさんに読んでいただきたい作品です。
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16 人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 道奥太郎 トップ100レビュアー
形式:単行本|Amazonが確認した購入
舞台は江戸時代、北陸の小さな茅島藩。
筆頭家老の名倉彰蔵は、旧友磯貝彦四郎がひっそりと亡くなったことを知ります。
2人は刎頚の契りを交わした友でしたが
二十余年前のある事件をきっかけに、大きく異なる人生を歩んだのでした。

「永遠のゼロ」「ボックス!」の作者、百田尚樹さんの時代小説です。
分量は330ページ、所要時間は3時間程度です。
内容は、小藩の下級武士、勘一(彰蔵の旧名)が中級武士、彦四郎と生涯の友情を誓い
成長・出世していく物語です。それが、勘一の心理描写を中心に克明に書かれています。

その中で胸を打たれるのは、彦四郎の勘一への友情です。
剣術・学問ともに傑出した彼が自分の生涯を犠牲にしたのは、ひとえにある目的のためでした。

これだけの友を持った勘一は幸せ者ですが
それをその友の死後に知ったことが、残酷さも際立たせています。

本当の友情とは何か。人はここまで自分を犠牲にできるのか。
そんなことを考えさせられる、よい小説だと思います。
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5 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By edge walker トップ1000レビュアー
形式:単行本
 時は江戸時代、架空の茅島藩を舞台にした幼馴染だった少年二人の友情を描いた物語です。主人公の少年「勘一」は下級藩士から異例の出世を果して藩の執政となり、その一方でもう一人の文武に才溢れた少年「彦四郎」は不遇の生涯を終えます。

 物語は家老の勘一が親友彦四郎の死を知って驚愕し、過去を回想する所から進んでいきます。同時に勘一の現在の時も進んで行き、その中で親友が影として勘一の夢を、己の人生を賭けてまで助けてくれたことを悟ります。全く見返りを求めず、感謝もされず、誰からもかえりみられることなく不遇の生を終えた彦四郎。主人公の勘一がその全てを知ったのは既に親友は彼岸に旅立ったあとで、もはや礼を言うことも、誤解していたことを謝ることもできませんでした。その大切な友を思って、たった一人で号泣するラストシーンには万感の思いが込められていて、私も涙が止まりませんでした。また本書には収録されなかった本当のラストが別にあるようなのでぜひそれも読んでみようと思います。

 この作家さんは文章もすごくうまく、本書は今年読んだ本のなかでは最もおもしろかったものの1つでした。お勧めです。
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とてもいい話だった。
まさしく掘り出し物の本。
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