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22 人中、22人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
「今の自分」に迷った時に読みたくなる本。,
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レビュー対象商品: 影との戦い―ゲド戦記 1 (単行本)
この本を「所詮ファンタジー」と侮ってはいけない。全世代必読の1冊だと思う。 描かれているのは魔法使いが普通に居る「ファンタジー」な世界だが、人間の内面性を非常に深く描き込んでいる作品で、大人が読んでも十分楽しめる、かなり手ごたえのある内容になっている。 「ゲド戦記ー影との戦い」は、主人公ゲドの幼年期から青年期までを描いた話であるが、 彼は類まれな魔法使いの資質と思春期特有の(!?)過ぎた虚栄心から、大いなる災いである「影」を招いてしまう。 正体の知れない「影」と戦い、敗れ、逃げ、恐れ、大いに迷い苦しむのだが、そうした紆余曲折を経るうちに次第に「影」と「自分」について、この関係の本質が「何」なのかを深く考えるようになる。 平たく言えば己の葛藤、様々な人間関係などを通じて、自身も成長するといった内容だが、読まれた方は誰しもゲドの心情、行動に共感を持つと思う。 地位、名誉、金、何でもいいが、ある種の「力」を手にした時、高慢になりがちなのは、主人公ゲドに限ったことではないと思う。 力ある、と思うからこそ陥りがちな驕慢、妬み、自尊、または虚飾に踊らされる自分、そういった日常をご体験の方も多いのではないだろうか。 そして苦い失敗。 心のバランスとは難しい。この本を読む度に、主人公ゲドと共に自身も深く内省する部分がある。 中学の時に初めて読んで以降、私も何度と無く読み返した。 今の自分を振り返ってみても、この本の影響は大きかったと思う。 大人になってからも楽しめるが、大人になる前の「中高生」には特に、是非、一度目を通しておいて欲しいと思う1冊だ。
42 人中、40人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
読み出したら止まらない,
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レビュー対象商品: 影との戦い―ゲド戦記 1 (単行本)
ゲド戦記は、6巻構成ですが、各巻ごとに著者の提示するテーマが大きく変遷していきます。4巻以降は、読者側にもやや大人の成熟が必要なストーリーであり、子供には敷居が高い部分があり、好みが分かれる可能性があると思います。しかし、1巻、2巻は、文句なく子供にも大人にもお勧めです。 なによりファンタジー小説の歴史に残る冒険物語の金字塔です。 1巻ではゲドという少年、2巻ではテナーという少女の、成長と苦難、内面の克服を描きますが、ファンタジー小説とは思えないほど主人公の心理描写に焦点をあて、ほりこみが深く、展開もスリリング、舞台の魔法世界も神秘的です。 読者は読むほどに主人公に同化していき、手に汗握ります。そしてまたゲドは実に格好いいのです。1巻は男の子、2巻は女の子が主人公に同化できるので、読めば間違いなくのめりこむでしょう。 1巻ではアースシー(多島海)の世界中をほぼくまなくゲドが船で駆けめぐり、その展開のダイナミックさは2巻以降も及びません。さらに1巻だけでは解決しない多くの伏線、アースシーの魔法世界について読むほどに深まる謎、ゲドが追われる「影」の謎、追われる恐怖。読むほどにわくわくどきどきとして、読み出したら止まらなくなります。 極上の成長物語ですので、大人が読んでも、ゲドに自らの若き日の、奢り、挫折、苦難、不安、迷い、悩みと、それを克服する勇気と行動の記憶を重ね合わせることでしょう。
37 人中、35人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
「影」とゲド,
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レビュー対象商品: 影との戦い―ゲド戦記 1 (単行本)
「彼は自分の意志で影と向かい合い、生きた手でそれをつかまえようとした。〜両者はいつか切っても切れないきずなで結ばれていた」(本文)「影」とは何だろう? ゲド自身であり、ゲドが最も恐れるものだ。ゲドが抱える焦りや不安。劣等感や恐怖、未熟さ・・・そのようなマイナスの力の集合なのかもしれない。 ゲドの師匠オジオンは、やがてそれに向き合わなければならない、とゲドに説く。 背を向けているときはとても恐ろしく感じる。でも、しっかりと見据えれば、それは怯えている自分の姿でしかない。 「影」とゲドの戦いは、私達に自分の中の無意識への道を示している。とても哲学的だ。 無意識、といえばフロイトやユングだが、ユングは童話の中で主人公とアンビバレンスな関係にある問題や事物を「影」と呼んだ。 ファンタジーにおいて「影」は物語のテーマを含んでいることが多い。 しかし、「影」そのものを敵、つまり主人公の到達点とする作品は少ない。「影」は実体ではないからだ。主人公にとって重要な要素であっても、目標にはなりにくいのだ。 この作品は主人公が「影」そのものと戦った。いや「影」本体と真正面から向き合った作品だ。直球すぎる、と思う設定だが、それがなんとも見事に描かれている。 ファンタジーだからできる、深い作品。物語だからこそ伝えられるメッセージを非常に巧く、表現している。 まさしくファンタジーの最高傑作の一つだろう。
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