彩雲国シリーズの外伝ですが、このシリーズの中では一番暗い一冊です。
先代の王様が、不器用で愛情表現の苦手なことは判っていましたが、織田信長様みたいに、片っ端から古いものを破壊して回った人という印象です。
この本は、まもなく最終章に入る本編の補填用に書かれたようですね。いろいろな設定が明らかにされていきますが、全体的に先王が必死になって壊しまくった”中世”的彩雲国の闇が語られています。
懐かしい人たちにも再会できますが、茶鴛洵が奥様にてんで弱かった。
南老師が桁外れの野獣じいさんだった。燕青もひどい人に出会ったものだ。
子供の頃の藍将軍は可愛く、純真だった。なのに反対に第二公子はホントに、可愛くない!
儚い、蜻蛉のようなお母さんの末路に涙はしますが、「闇の朝廷」に育った才気も色気もある少年は、陰険(闇夜も蹴散らすほど)で、大人びているから、始末に困る。
文章については他の人の評価もありますが、台詞の「ため口」が暴走しまくって品を下げています。軽い気持ちを表すにしても、悪ノリ重視はちょっといただけませんね。