『彩雲国物語』の2作目。
今回は、男装した秀麗が、朝廷で臨時の雑用係として働きます。
懸命に働くうちに、仮面の黄戸部尚書や、おだやかな景侍郎に認められ、信頼されるようになっていく、秀麗。
一方で、静蘭と因縁があるらしい燕青や、新“茶州の禿鷹”を名乗る少年2人組が新キャラとして登場。
燕青と、茶州から流れ込んできた山賊たちの間にはなにやら問題があるようで、貴陽のあちこちでちょっとした騒動が持ち上がります。
はたして、何が起きているのか? 燕青とは一体何者なのか? そして「官吏になりたい」という秀麗の夢は叶うのか…?
前回と違って、今回の劉輝は出番も少なめで、かなりコメディ寄り。彼の秀麗に対する求愛は笑えます。
(再読して気づいたのですが、10ン年後にもある男性に対して、彼はまったく同じコトやってます。意味不明の手紙&愛の藁人形…)
それから、燕青が素敵ですね。彼はこの2作目から完結編までこの物語世界で活躍し続けた、数少ない(あるいは唯一の?)男性。
客観的に見て、彼が『彩雲国物語』のなかで1番度量があって、1番懐の深い、1番イイ男なんじゃないかなーと思います。
この作品は、角川ビーンズ文庫の『彩雲国物語 黄金の約束』を加筆修正したものです。
物語の内容、展開、エピソード、台詞は、角川ビーンズ文庫版と基本的には同じですが、
最終話『紫闇の玉座』や『彩雲国秘抄 骸骨を乞う』に齟齬なくスムーズにつながるように手を加えられています。
この角川文庫版では、秀麗の1人の人間としての成長、劉輝が名ばかりの王から本当の王へと変わっていく過程、
そして彼らを取り巻く官吏たちの生き様に重点を置き、ラブコメ色の強い表現は削り、人物の内面や物事の背景をわかりやすく表現し直しています。
といっても、それほど極端に内容が変わっているわけではないので(楸瑛、影が薄くなったな〜、という程度)、
ビーンズ文庫を持ってらっしゃる方がわざわざ買い直すほどではないかな〜というのが正直なところです。
でも、お金に余裕があれば、保存版として購入してまとめて一気読みしたいですね。
アニメ化、マンガ化された作品の原作としての『彩雲国物語』を読みたいのであれば、角川ビーンズ文庫版の方がよいと思います。
この角川文庫版ではカットされている、各キャラクターの美形っぷりを、文章と由羅カイリさんの美麗なイラストの両方で楽しめて
「秀麗に一番お似合いのお相手は?」「紅吏部尚書×黄戸部尚書」「燕青×静蘭」「楸瑛×絳攸」といった乙女の妄想を刺激するような
キャラクター描写や、意味深なやりとりもたっぷり読めます。