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16 人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
投資銀行家の「正論」に拍手―強欲化したウォール街を糾す,
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レビュー対象商品: 強欲資本主義 ウォール街の自爆 (文春新書) (新書)
私とほぼ同年配に当たる著者の神谷秀樹(みたにひでき)氏とは、全く面識はない。だが、一度は話を聴いてみたい人物の一人である。それに比べ、ワイドショーなどでガラパゴス化したセオリーを振りまき、「未だ『過去のアメリカ』を追いかけているようにさえ見える」(本書p.206)元大臣様や、本気か冗談かは分からぬが、この男を「いっそ新党の党首になっては?」(6/20)とヨイショする提灯持ちのエコノミスト(?)らには、正直、開いた口が塞がらず、神谷氏の爪の垢でも煎じて飲ませてやりたい気持だ。 さて、この新書は刊行されたのが08年10月であり、バラク・オバマ氏に対する期待感も表掲している。しかし、結局のところ、オバマ大統領はブッシュ前政権による「焦土作戦」の影響等もあって、たとえばローレンス・サマーズのような男を国家経済会議(NEC)の委員長に就任させている。この男は、ロバート・ルービンらと共に、商業銀行業務と投資銀行業務の分離を定めたグラス・スティーガル法を骨抜きにするなど、ウォール街の腐敗を進行させた戦犯の一人であり、まだまだオバマ政権への予断は禁物だ。 そうした執筆時点での制約を割り引いても、1984年以降、ウォール街で投資銀行家として生きてきた著者の一言一句は重たいし、何よりも説得力がある。神谷氏は「私はウォール街で働いてはいるが、ウォール街的な考え方をそのまま日本に持ち込むこと」を批判し、日本人は“モノ作り”の伝統を失わずに、「日本人の心で感じ、自らの頭で考え、自分たちに相応しい金融システムを構築すべきである」(p.72)と断言する。氏の「金融マンは実業を営む方たちの脇役に徹するべきだ」(p.15)という信条にエールを送りたい。
5 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
1つの時代の終焉とパラダイムの転換期を迎えて,
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レビュー対象商品: 強欲資本主義 ウォール街の自爆 (文春新書) (新書)
個人的には、ウォール街の没落ぶりには興味なかったが、いくつか本質的で大切なことを示唆された。「GDPを伸ばさなければ、売上・利益を増やさなければ…と数字にこだわってきた結果、生まれたのは借金に支えられた砂上の楼閣、見せかけの繁栄だった」とし、「本物の成長は真の技術革新からしか生まれない」と述べている。 そして、「何のための成長なのか、何をもって成長と考えるのか」という根本的な議論がなされないまま、闇雲に突っ走ってきた副作用が、いまの日本に現れ始めている。すなわち、富の偏在、格差拡大、心の疲弊、薄れる思いやりの心、コミュニティの断絶など。 現状に安住してはならない。しかし、「どのように成長するのか、何を頑張るのか」といった根本的な議論がなされておらず、闇雲に頑張っても疲弊するだけである。 働く人の間で心の疲弊がクローズアップされているが、その背景には、こうした議論がなされぬまま、既存の価値観やパラダイムのもとで数字ばかりを追いかける企業経営者や管理者がいまだに多いことが一因にあるのではないか。 成功の復讐とはよく言ったものだが、経営者や管理者は過去の成功に決別し、謙虚な態度で客観的に世の中や現場と向き合うことも必要なのではないか。 そして、(自分への戒めでもある)「このままでいたい」という葛藤をどのように乗り越えていくか! 欧米や日本のいわゆる先進国(?)は、「欲望こそが発展と成長のドライブ」というパラダイムの終焉を迎えているかもしれない。ブータンのようにGNHという考え方もこうした議論の中にあってよいと思う。 気軽に手にした本書だったが、いろいろと考えさせられた。
45 人中、37人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
いい本だけど、本当に著者は「いい人」なのかな,
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レビュー対象商品: 強欲資本主義 ウォール街の自爆 (文春新書) (新書)
日経BPなどでサブプライム危機突入以前から、投資銀行家でありながら、投資銀行のビジネスモデルの危うさを批判し続けた著者の本。日本はもちろん、世界中で投資銀行の荒稼ぎぶりがこの数年喧伝されてきただけに、なんでこんなあっさりこけるのかと思ったが、財務や企業合併のアドバイザリーでフィーを稼いでいたかつてと異なり、投資銀行の商売は自分のバランスシートで賭けをする危うい商売に転じていることがわかった。リターンが戻ればそのリターンを元手に金を借り、さらに大きな賭けを打つ。リターンがあればよいが、縮小均衡する市場では一気にバランスシートが腐ってしまう。活躍が喧伝されてはいるが、数社の巨大投資銀行が生まれる今日までにつぶれた投資銀行はキダーをはじめ、あまたある。今ある、あった会社もたまたま生き残って来たに過ぎないのかなと感じた。うまくいくときはぼろもうけできるが、損するときはそれ以上の莫大な損失を抱える。さらにバンカーが持ってきた利益のかなりはバンカー個人が取ってしまうが、損失をバンカーは持ってくれない。さらに、キーになる人を失うと、投資銀行は看板倒れの役立たずになってしまう。これを知らずに、世界の証券会社は投資銀行でやけどを負い続ける。著者の見立てに従うなら、野村證券がリーマンの部門買収は成功するか疑わしい。 インベストメントバンカーというのはすごく頭のいい人たちなので、その中で生き残ってきた著者というのも、相当なものではないかと思う。本書では、同業者の強欲振りを批判する一方、自らがいかに誠実に仕事してきたかを書いているのだが、ひょっとしたら…だが、その強欲ぶりと対比させることで、自らのよさを本書で日本市場にアピールしている著者も、強欲さをむき出しにして潰れていったほかの投資銀行家より一枚上手、もっと怖い人なのかな、なんて考えてしまった。
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5つ星のうち 5.0
“金融危機”の本当の怖さが感じられる
大仰な標題と、筆者の履歴(“ウォール街に二十年以上身を置く者”)から、... 続きを読む
投稿日: 2009/4/25 投稿者: きょうパパ
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