CIS諸国におけるソ連時代へのノスタルジー。この地域におけるロシアの昔ながらの専横ぶり。未承認国家の現状。ナゴルノ・カラバフ紛争等にちらつくシロビキ系の影。コーカサスにおける親日シンドローム。CIS諸国と日本との外交のあり方。そして、2012年に向けたプーチン体制の展望などなど。
多岐に亘る豊富な内容をカバーしており、その一つひとつは真に興味深いエピソード。が、いささか雑駁な観なきにしもあらず。全体を通じて何を言いたいのか、ロシアの何を取り上げて読者に伝えたいのか、かならずしもよく分からない。コーカサスをネタにしたエッセイ集のような印象。
内容の7割方がコーカサス諸国そのものの話であることにかんがみると、そもそも『強権と不安の超大国・ロシア 旧ソ連諸国から見た光と影』というタイトルが適切と言えるのか、きわめて疑問。編集の方でもう一工夫あれば、全体としてさらに良い本に仕上がったのでは。