月刊!スピリッツの良心とも言えた、真の正義を問うこの漫画「強制ヒーロー」もこれにて完結です、とてもかっこいい表紙ですが本編とは一切関係ありません。
全巻までは1話完結の話がほとんどでしたが、この巻の話のほぼ全てが完結編として続いています、徴正令の任務に就きながらも社会を変えることができていないことに苛立ちを感じた赤木さんが暴走してしまうことが今回のお話です。
正義を求めすぎるあまりに道を踏み外してしまった赤木さんと、どう接していけば良いのか分からず終始悩み続ける青田くんの姿は見ていてもどかしいのですが、少しずつ変わり始め、最終的には勇気を振り絞って人助けをするまでに至ったので、彼の成長物語としては達成感がありました。
全編通して黒田くんが大活躍でした、彼の洞察力は大したものですね。桜子さんがほとんど話に絡んでいないことが残念でした、紅一点なのだからもう少し活躍の場面があってもよかったと思います。というかヤンキーの緑川くんが実は一番普通の人のように思えるのもどうなのでしょうね、まあ典型的な今時の若者ということでしょう。
とても面白い作品でしたが、この単行本には2つの欠点があります。
1つ目は、発行部数が少ないということです、そもそも月刊!スピリッツ自体が世間にあまり認知されておらず、単行本も少数しか発行されておりません、なので宮下先生のためにも店頭に並んでいる分くらいは買ってあげましょう。
2つ目は、ビッグコミックスピリッツでの不定期連載時の2話目が単行本に収録されることなく終わってしまったことです、別に出版コードに触れるような過激な台詞や描写があるわけでもないのに何故こうなってしまったのか全く理解できません。
全く根拠のない私の予想ですが、月刊!スピリッツの単行本は週刊のものよりもページ数が20〜30ページほど少ないのが現実です、この「強制ヒーロー」1巻発売時もページ数を減らすためにそれほど重要でない話を削って、後の巻に収録しようとしたけど、どの巻もページ数の調整が付かず収録することができなくて結局お蔵入りになっちゃった、という流れだと思います。
もしこれが本当だとしたら私は小学館を許せません、読者に対しても宮下先生に対しても失礼です。「正義警官モンジュ」も未収録の話が幾つか存在するので、そちら共々どうにかして欲しいものです。